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「典型的で、最悪なケース」精神科医が法廷で語ったDVの“車輪構造”と児童虐待【目黒5歳児虐待死裁判・証人尋問1】

9/13(金) 15:32配信

ハフポスト日本版

東京都目黒区のアパートで2018年3月、当時5歳だった船戸結愛(ゆあ)ちゃんが亡くなった。 

結愛ちゃんが両親から虐待を受けて死亡したとされるこの事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(27)の公判が東京地裁で開かれている。

4日目となる9月6日の公判では、被告人質問が行われた後、証人として呼ばれた精神科医が、DVが与える影響を説明した。

DVの「権力と支配」が示す“車輪構造”

証人は、精神科医として主に虐待やDV、トラウマに関する分野を専門に扱っている。これまで被害者アドバイザーなどとして、警察の役職に就いたこともあった。

まず最初に、弁護人から証人への質問がなされた。

弁護人は、保護責任者遺棄致死罪の成立は争わないとして、事実認定はあくまで裁判所に任せると前置きしたうえで、次のように聞いた。

(弁護人)ーー優里さんの行動は、DVの概念から、説明可能かどうか。説明できるとしたら、DVによってどのような心理状態にあったかどうかという観点から伺います。

(精神科医)承知しました。

ーーまず、具体的なことをお伺いする前に、DVというものはどういうものなのかについて、ざっくり、本当にざっくりご説明いただきたいと思います。これはいわゆる「DVの車輪」と言われているもののようですが、これはどのようなことを意味しているのでしょうか。

弁護人が、DVのサイクルを示した図を証言台の横の書画カメラで映し出した。

これは、米国で多くのDVの被害者の女性と、加害の男性の観察と、男女両方の証言と観察から導き出されたDVの全体像です。

一番大切なこととして、DVにおいて一番、女性や子どもを傷つけるものとして、この真ん中にある「権力と支配」というところであって、これがDVの常識であるということを示しておきます。

そして、外側を見ると、身体的暴力だとか性的暴力と書いてあるんですけれども、先ほどから何度も出ている「殴る、蹴る」「アザが無いとDVではない」というような、警察官からそういう話もあったようなんですけれども、そうではなく、様々な暴力の形態がある、ということを示すものです。



ーーありがとうございます。続いて、図面2を示させてもらいます。これは警察の広報として広く示されているものなんですけれども、DVとサークルとサイクルと呼ばれていますが、どのようなことを意味するんでしょうか。

これはDVの啓発のために作られている資料だと思うんですけれども、DVというものにはサイクルがあります。

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最終更新:9/13(金) 15:32
ハフポスト日本版

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