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仮想通貨デリバティブはアジアの巨額資金呼び込むか──注目は野村も進出の「カストディ」【シンガポール取材】

9/13(金) 6:00配信

CoinDesk Japan

アジアの機関投資家やヘッジファンドが仮想通貨のデリバティブ商品に巨額の資金を投下し、新たな市場を作り上げる日はやって来るのか?

9月10日、欧米、アジア、中東から多くの参加者がアジアの金融ハブ・シンガポールに集まり、米CoinDeskが主催するイベント「invest: asia」を中心とする「クリプトウィーク」は始まった。

現物決済のビットコイン先物取引を今月に始めるBakktを傘下に置く米インターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)、仮想通貨取引所の世界大手コインベース(Coinbase)、金に連動するステーブルコインを開発したパクソス(Paxos)、暗号資産のハードウォレット業界を牽引するフランスのLedgerに加え、シンガポールのヘッジファンドや欧州大手銀行の関係者らも議論に参加した。

市場を盛り上げる起爆剤としての「カストディ」開発

ビットコインが新たな資産クラスとしての確固たる地位を確立しようとする中、テクノロジー企業、スタートアップ、既存の金融機関は業界を超えたパートナーシップを深めながら、暗号資産の市場形成に必要なコアコンポーネントの準備と整備を急ピッチで進めている。

一方、新規金融市場への参入に躊躇する機関投資家は依然多く、市場の盛り上がりを促す重要なパーツの不在は大きな課題だ。その“ミッシングピース(missing pieces)”の1つは、顧客の資産を安全に保管する「カストディサービス」だろう。

「需要サイドにおける機関投資家の裾野を広げるため、大企業側がカストディサービスの準備を進めている。そのペースは一段と速まっている」と話すのはブロックチェーンハブのチーフ・マーケティング・オフィサー、増田剛氏。現地を訪れていた増田氏は、「市場の環境整備は確実に進められており、需要サイド(投資家)が市場に積極的に参入するのは時間の問題ではないだろうか」と続けた。

野村、Ledger、コインベース……資産管理サービスに注力

事実、過去1カ月にわたってカストディを強化する動きは顕著に見られた。

ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所のジェミニは9月10日、機関投資家グレードのカストディサービスを始めると発表。顧客がオフラインで保管されている自身の資産にアクセスし、取引を行うまでの時間を短縮できるサービスを始めるという。

信託やカストディサービスを展開するレガシー・トラスト(Legacy Trust)も同日、機関投資家を対象とするカストディ事業を行う新会社を立ち上げたことを明らかにした。

コインベースは8月、ザポ(Xapo)の法人向け仮想通貨カストディ事業を5500万ドル(約59億円)で買収し、「同社が世界最大の仮想通貨カストディアンになった」とコメントした。

日本の大手金融機関でカストディサービス開発に積極的なのは、野村ホールディングスだ。野村はLedgerと英グローバル・アドバイザーズと共同で、デジタル化された資産のカストディサービスの研究開発を進めている。

共同開発プロジェクトは「Komainu(コマイヌ)」と名づけられているが、「2020年前半にはKomainuの事業化が始まる」との見方がシンガポールのクリプト・ウィーク中に聞かれた。

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最終更新:10/10(木) 17:02
CoinDesk Japan

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