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グループ分裂直前の作品にもかかわらず傑作となったCCRの『ペンデュラム』

9/13(金) 18:02配信

OKMusic

たった4~5年の活動であったが、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下、CCR)はアメリカのロックファンに大きなインパクトを与えた。その衝撃は2019年の今でも続いているのではないだろうか。少なくとも彼らを生んだアメリカではそうだと僕は思う。特にジョン・フォガティのソングライティングは天才的で、アメリカポピュラー音楽のスタンダードとも言える名曲をいくつも送り出している。中でも「雨を見たかい(原題:Have You Ever Seen The Rain)」はアメリカはもちろん日本でもビッグヒットとなり、中年以上の洋楽ファンは今でもカラオケレパートリーの上位に上がっているはず。その「雨を見たかい」を収録しているのが、今回紹介する『ペンデュラム』だ。彼らにとって6作目となるこのアルバムは、彼らの代表作であるばかりか、ブルース、カントリー、ロカビリー、R&Bなどに影響を受けながらも独自の感性で再構築、CCRならではのルーツロックを提示している。収められた10曲はどれも珠玉のナンバーで、このアルバムが「雨を見たかい」だけじゃないことがよく分かる傑作である。

60年代後半のサンフランシスコ音楽事情

彼らが“クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル”という奇妙な名前でデビューしたのは、1968年のサンフランシスコ。この頃のサンフランシスコと言えば、ベトナム戦争反対、公民権運動、マリファナ、そしてヒッピーとフラワージェネレーションなどが全盛の時代である。ロックではグレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、クイックシルバー・メッセンジャーサービス、サンタナ、モビー・グレープ、ジャニス・ジョプリンらに大きな注目が集まっていた。ロックと麻薬は密接に関連し、ライトショーを用いた3時間を超す長尺のライヴやフェスが盛んに行なわれていた。

異形のサウンドをもったグループ

前述したようなシスコ周辺のグループは、サイケデリックロックとかアシッドロックと呼ばれていたのだが、その中にあって他のグループとはまったく違う音楽性を持っていたのがCCRであった。なぜ、彼らの音楽が他と違っていたのかと言うと、それは彼らがシスコの誰よりも古くからグループとして活動していたのが大きな理由だろう。

CCRはトムとジョンのフォガティ兄弟(ともにギターと歌)、スチュ・クック(ベース)、ダグ・クリフォード(ドラム)の4人組で、1961~1962年にはブルー・ヴェルヴェッツ名義でインディーズレーベルから数枚のシングルをリリースしている。1959年のグループ結成当初はベンチャーズに憧れ、インスト曲を中心に演奏していたようだ。すでにロックンロールやロカビリーは世に出ており、若いフォガティ兄弟も例外なくロックンロールの洗礼を受ける。リトル・リチャード、ボ・ディドリー、チャック・ベリー、エルビス・プレスリー、カール・パーキンスらに大きな影響を受けた彼らは言わば筋金入りのロックンローラーであり、他のシスコのグループのようにフォークやカントリーブルースをバックボーンにしたアーティストと比べ、かなり音楽性が違っていたのだ。

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最終更新:9/13(金) 18:02
OKMusic

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