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“閉じてる”俳優・岡山天音「中学生日記」から始まった進化と葛藤

9/14(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「あまね」という美しい音の名前を持つ岡山天音(25)は勢いのある若手俳優だ。今年で役者歴10年、底光りする表情と演技で確実にキャリアを積んでいるが、その経歴はちょっぴり変わっている。

  ◇  ◇  ◇

 デビュー作は2009年8月29日放送の「中学生日記」。1962年にスタートした前身の「中学生次郎」から2012年まで、半世紀にわたってNHK教育(現・Eテレ)で放送された学園ドラマだ。時代ごとの教育問題を色濃く映し、タブーにも切り込んでいるが、「脚本も監督も毎回のように違う。作風のテイストもまちまちなんです。ただ、画面から伝わる空気感みたいなものが好きでよく見ていました」。

 NHK名古屋放送局が手がけ、生徒役は基本、名古屋近郊在住の現役中学生だったが、全国オーディションが行われた際に見事合格。演技経験ゼロで同回の主役の座を射止め、本名の岡山天音役で出演した。

 だが、すでに番組の人気や勢いに陰りが出ていた頃である。役者の第一歩としては。渋い選択となった。

「はじめから役者になりたかったわけではないんですが、普通の中学生からしたらとても非日常的な空間で、とにかく楽しかったんです。夏休みを利用して東京から名古屋に行き、泊まり込みで撮影しました。大人たちがたくさん集まる現場にお邪魔して、言われるがままに動いて褒めてもらえる。どちらかというと学校は苦手なタイプで、シンプルに楽しいって感じられる空間が心地よかったんです。これはもう夏休みだけで終わらせたくないな、って。続けるには事務所に所属しないといけない。次の機会にも恵まれないって分かったので、オーディション雑誌で捜しまくって、いまの事務所に入ったんです」

■オーディションの落選は100回以上

 晴れて役者の道へ進むことになったが、出演2作目となるオムニバス映画「犬とあなたの物語 いぬのえいが」の公開は、中学生日記出演の2年後。「ぜんっぜんオーディションが受からなかった」と、バツが悪そうに振り返る。

「事務所に入れたのだから運が良い方だと思うんですが、その後がきつかったですね。演技の基本も分かってないから、オーディションは100回以上は落ちたと思います。もはや受かるっていう概念さえなくて、“えっ、受かることなんてあるんだ!”みたいな。いま思えば、惰性で受けていたこともあったように思います」

 それでも腐らずにコツコツとキャリアを積み上げ、印象に残る役を演じるようになった。今年1月期のドラマ「デザイナー 渋井直人の休日」(テレビ東京)では光石研演じるデザイナーのアシスタント役で存在感を発揮。20代男性俳優の出演作品数ランキングでは13作品で4位(「日経エンタテインメント!」9月号)にランクインしている。

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最終更新:9/14(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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