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小倉遊亀105年の生涯たどる ファン、線描の美堪能

9/14(土) 0:29配信

北日本新聞

 「100歳を超えても画壇で活躍したことに励まされる」「同じ女性として尊敬できる」。県水墨美術館で13日に開幕した「小倉遊亀(おぐらゆき)と院展の画家たち展」は、初日から美術ファンらが続々来場。105歳で亡くなるまで絵筆を持ち続け、女性画家の活躍の場を切り開いた小倉遊亀の生涯をたどるように、心ゆくまで鑑賞を楽しんだ。

 開会式には開幕を待ち望んだ大勢のファンが出席した。作品を貸し出した滋賀県立近代美術館の村田和彦館長はあいさつで、同館が改修中のため国内有数の小倉遊亀コレクションを館外に持ち出す企画展が実現したと説明。「遊亀が影響を受けた速水御舟(ぎょしゅう)の『洛北修学院村』や師である安田靫彦(ゆきひこ)の『卑弥呼』など教科書に掲載されるほどの傑作も並んでいる」と紹介した。

 式後は同館の大原由佳子学芸員が作品を解説した。1時間かけて会場を巡り、日本画の近代化を目指して院展に集った横山大観や菱田春草、北野恒富らの名作や、院展の革新的な気風の下で遊亀が生み出した代表作について時代を追いながら説明。遊亀の人物画について「特徴的なしぐさや表情を通して個性までを描き出そうと、モデルと実直に向き合う姿勢が伝わってくる」と評した。

 来場者は解説にうなずきながら、遊亀の流麗な線描や余白の美しさに見入った。富山市本郷町の松井玖美さん(87)は「家族のくつろいだ姿など、ありふれた日常を題材にした作品も気品にあふれていた。高齢になっても描き続け、同性としてすごいと思う」と話し、高岡市あわら町の越田裕次さん(64)は「歴史上の人物というイメージが強い横山大観と交流した一方で、戦後の越路吹雪をモデルにしている。時代を超えて活躍したことがよく分かる」と語った。

最終更新:9/15(日) 10:51
北日本新聞

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