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林業労災、VR講習で防げ 伐採時の危険を疑似体験、担い手確保へ意識向上

9/14(土) 7:54配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 林業の課題になっている労働災害を減らそうと、県が林業従事者向けの安全対策を強化している。目玉は仮想現実(VR)技術を活用した講習会。伐採作業の危険な事例を疑似体験してもらい、安全意識の向上を図る。林業の労災発生率は全産業の平均を大幅に上回り、「林業は危険」というイメージを払拭(ふっしょく)して担い手確保につなげる狙いもある。

 チェーンソーで切った木が突然、目の前に―。8月下旬、静岡市駿河区の静岡総合庁舎で開かれたVR講習会。ゴーグルをかけ、刃のないチェーンソーを持った参加者が伐採作業を疑似体験した。

 北海道のコンサルタント会社の協力を得て、実際に起きた労災事故を再現したVRシミュレーターを使用。会議室でも森の中でチェーンソーを使っているような感覚を味わうことができ、参加者からは「良い経験になった」「事前に危険を予測して安全に作業したい」などの声が上がった。

 林業の労災による死傷者数は長期的には減少傾向にあるが、重大事故は多い。県内では死亡事故がほぼ毎年発生し、2018年の死傷者数は前年比22人増の57人だった。死亡事故は伐採作業中が最も多く、切り出した木を運ぶ際にも事故が起きやすいという。

 足場が悪い山の中で重量のある木を取り扱う林業の労災発生率は全産業の10倍以上と突出して高い。業界からは「若者が林業を敬遠する一因になっている」(県中部の森林組合)との指摘もある。経験や勘に頼る部分が多いとされるが、VR講習会では作業現場に潜む危険を効果的に学ぶことができ、経験が浅い人や外国人労働者への活用も期待される。

 業界は高齢化や担い手不足などで従事者が減少している。県は安全パトロールなど現場指導も強化していて、「労災を減らし、新規参入しやすい労働環境を整えたい」としている。

静岡新聞社

最終更新:9/14(土) 7:54
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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