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脂質異常症での食事改善はLDLと中性脂肪で中身が少し違う

9/14(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【医師の常套句「様子を見ましょう」の真意】脂質 編

 コレステロールは、ホルモンの材料になったり、神経線維を覆って絶縁体のように働いて神経伝達をサポートしたり、人間の活動に欠かせませんが、それが多過ぎると、心筋梗塞や脳卒中などを起こすことから、“悪者扱い”されやすい。

 皆さん、ご存じのように、コレステロールには善玉と悪玉があって、悪玉のLDLコレステロールは血管内にコレステロールを運び込む働きがあって、善玉のHDLコレステロールは血管内のコレステロールを回収して運び出す働きです。

 作用が逆で、LDLは高いのがダメで、HDLは低いのがよくありません。簡単にいうと、血管に脂をためて動脈硬化を進めるのがLDLで、改善させるのがHDLということ。これに中性脂肪が高い状態を合わせて、これらの異常の総称が脂質異常症です。

 LDLもHDLも、リポプロテインと呼ばれる物質で、リポプロテインは栗まんじゅうに例えるとイメージしやすい。真ん中にある栗が中性脂肪で、栗を包む餡がコレステロール。皮はアポタンパクと呼ばれる物質です。

 中性脂肪は分解されてエネルギー源になるので適度なら問題ありませんが、過剰だと、インスリンの働きを阻害し、糖尿病の一因に。余分な中性脂肪は脂肪として蓄積されますから、やっぱりよくありません。

 中性脂肪をたくさん抱えているのが悪玉のLDLで、悪玉の中でも特にタチが悪い極悪玉が持ち運ぶ中性脂肪は何と善玉の1000倍。LDLと中性脂肪の高さはリンクする傾向があります。その背景にあるのが、中性脂肪値を上げるような食生活です。

 脂っこい食事だけでなく、アルコールや糖質が分解される過程で中性脂肪が生まれますから、炭水化物やアルコールの過剰摂取もよくありません。

 前回、減量と脂肪の関係について触れましたが、「NIPPON DATA」と呼ばれる研究によると、日本人は肥満や痩せに関係なく高コレステロール血症になりやすいことが明らかになっています。食生活の欧米化で肉に含まれる飽和脂肪酸の多い食事が広がったことが大きいのです。

 つまり、脂質異常症の人への「様子を見ましょう」は、主に食事改善を指しますが、中身は少し違います。高LDLの人は、肉や脂、卵などを控え、中性脂肪が高い人は酒や糖質のカット。HDLが低い人と中性脂肪が高い人は、運動も効果的です。自分がどのタイプかチェックして、「様子を見る」ことが肝心でしょう。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

最終更新:9/14(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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