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「非開門」「和解推奨」=司法の限界指摘も-最高裁判決に識者・諫早湾訴訟

9/14(土) 7:32配信

時事通信

 諫早湾干拓事業をめぐる訴訟で、最高裁は福岡高裁で審理をやり直すよう命じた。

 識者は判決を「開門しない方向性を示唆した」と読み解くが、一方では「和解による解決を模索すべきという主張も含まれる」という意見も聞かれた。

 「争点に正面から向き合えという最高裁のメッセージだ」と受け止めたのは、元東京高裁判事の中島肇桐蔭法科大学院教授。潮受け堤防の防災上の重要性は高まっているとし、「漁業権消滅という奇策に逃げず、非開門が防災上必要だと説明すれば認めるという意向がにじむ」と解釈する。

 樫沢秀木佐賀大教授(環境法)は「高裁に『答えの書き方を変えれば〇をやる』と指導したような内容。非開門の示唆と感じた」と言う。「結論ありきでなく、漁業者が納得できる和解の方向を追及しろとも受け取れる」とし、「裁判での決着は難しい。公共事業で起きた紛争だからこそ、国が積極的に調整に動くべきだ」と求めた。

 宮沢俊昭横浜国立大教授(民法)は「最高裁の意向は感じるが、高裁での決着は見通せない」と話す。その上で「司法のねじれが解消しても、住民にしこりが残れば真の解決にはならない」と強調。「司法判断の限界が一層浮き彫りになったからこそ、判決を待たず、政治が解決に積極的に動くことが求められる」と語った。 

最終更新:9/14(土) 7:41
時事通信

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