ここから本文です

フェリーではなぜテーマソングが流れるのか 地元に浸透、進化系も登場する背景

9/14(土) 6:06配信

乗りものニュース

1970年代から親しまれてきた『さんふらわあの唄』

 出航時や到着時に、船内でテーマソングが流れるというのは、多くのフェリーにおけるひとつの特徴といえるかもしれません。なぜ各社、そのような曲を用意しているのでしょうか。

【動画】最新版『さんふらわあの唄』

 フェリーの船内で流れるテーマソングの代表例として、関西と九州を結ぶフェリーさんふらわあの3航路と、商船三井フェリーが運航する大洗~苫小牧航路の「さんふらわあ」各船で流れる『さんふらわの唄』が挙げられます。「さんふらわあ さんふらわあ 太陽に守られて 行こう」というサビが印象的なこの曲は、八代亜紀さんなどへ楽曲を提供している増永直子さんが作詞、NHK『おかあさんといっしょ』などの子ども番組で作曲を手掛ける渋谷 毅さんが作曲したもので、様々な歌手に歌い継がれつつ、1970年代から現在にいたるまで使われています。

 1970年代当時はこれ以外にも「さんふらわあ」にまつわる曲が複数制作されており、サトウハチローさん作詞でコーラスグループのダークダックスが歌うもの、フォークシンガーの小室 等さん作曲のものなどがありました。いずれも当時、若者の人気を得ていたミュージシャンたちです。「さんふらわあ」の船は、ほかのフェリーと一線を画すレストランシアターやプールといった豪華設備をもって登場しましたが、これらテーマソングも、銅鑼や汽笛による出航の合図が一般的だった時代に、人々へ斬新な印象を与えたのではないでしょうか。

 船内におけるテーマソングの使用には、実務的な側面もあります。フェリーはほかの乗りものと比べて船内が広く、乗船から出航、到着から下船まで時間がかかります。特に到着時は、船室内の乗客になるべく早く下船口あるいは車両甲板まで行ってもらわなければなりません。デパートなどでは閉店時間が近づくと『蛍の光』などを流して退店を促しますが、それと同じような役割といえるでしょう。

テレビCMで地元に浸透

 このようなフェリーのテーマソングは、テレビCMと切っても切れない関係があります。『さんふらわあの唄』などは現在も西日本を中心に「さんふらわあ」のテレビCMで使われていますが、およそ30年前、瀬戸大橋が開通する以前に筆者(宮武和多哉:旅行・乗り物ライター)が住んでいた四国地方では特にフェリーのCMが盛んで、『さんふらわあの唄』や、キダ・タローさん作曲の『淡路フェリーの歌』など、何社ものテーマソングが流れていました。

 当時は複数のフェリーが競合しており、そのなかでキャッチーなテーマソングは、自社路線を多くの人に覚えてもらうための手段のひとつだったわけです。

 テレビCMで有名なフェリーのテーマソングとしては、高松~神戸航路「ジャンボフェリー」の『二人を結ぶジャンボフェリー』が挙げられるでしょう。「風が恋を運ぶ 海を遠く渡り」という歌詞で始まるこの歌のテーマはズバリ「海を隔てた遠距離恋愛」です。

 この路線では、高松港を深夜1時に出航する夜行便が運航されており、高速バスなどを使うよりも長く日帰り滞在できることから、遠距離恋愛のカップルへの割引なども定期的に実施されています。その姿勢が、テーマソングにも打ち出されているのです。

1/2ページ

最終更新:9/14(土) 9:12
乗りものニュース

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事