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シルバー人材 “若手”足りない 60代手薄、企業の雇用延長影響 10年で会員8万人減

9/14(土) 7:09配信

山陽新聞デジタル

 シルバー人材センター(SC)が人材不足に頭を痛めている。2009年度に79万人を超えていた全国の会員数は約71万人に減った。入会対象となる60歳からの世代が、企業の雇用延長で集まりにくくなっているという。高齢者の就業や生きがいづくりで大きな役割を果たしてきたSCの現状を岡山県倉敷市で取材した。

65歳未満5%弱

 「新規入会が伸び悩んでいる。会員の高齢化が進み、仕事の依頼に十分応えられないことがある」。倉敷市シルバー人材センター(倉敷SC、同市笹沖)の岩瀬吉晴理事長が課題を挙げる。

 倉敷SCの会員数は、市町合併に伴い現体制となった2005年度は2205人だったが、18年度は1478人。平均年齢は70・3歳から73・8歳に上がった。60代の割合は全体の25%、65歳未満は5%弱となっている。

 背景にあるのが「65歳定年」だ。企業の定年はかつては60歳が一般的だったが、13年の法改正で希望者を65歳まで継続雇用することが義務付けられた。これが大きな要因となり、全国的にSCで“若手”の60代が手薄になっている。

 「シルバーには希望する仕事がない」との声も少なくない。一般事務や駐車場管理などを求める人が多いのに対し、そうした仕事の依頼は少ないというミスマッチが生じている。

「経験生かして」

 人員不足により倉敷SCは、年間1200件以上の依頼がある樹木せん定の受注を7月下旬から止めている。来年1月まで再開できない見通しだ。同様に草刈り、草取りは1カ月待ち。こうした状況はここ数年続いているという。依頼に応えきれないことも影響し、06年度に過去最高の約6億円だった倉敷SCの受注額は18年度、5億円を割った。

 「70歳定年時代」の足音も聞こえてくる中で「われわれも変化していかなければならない。地域の役に立ち、シニア世代の生きがいにつながる仕事を増やし、SCの評価を高めていきたい」と岩瀬理事長。「一線を退いた人たちが、自由な時間を使ってそれぞれの経験や得意なことを生かしてもらえれば」と呼び掛ける。

 倉敷SCは、男性会員の半数に満たない女性を増やし、70代以上の活躍の場を広げていく方針。そうした人材を生かして空き家の管理、ちょっとした家具や建具の修理、介護・育児支援、産業界の人手不足分野のサポートといった家庭の困り事や地域の課題に対応した仕事を掘り起こす考えだ。

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最終更新:9/14(土) 7:55
山陽新聞デジタル

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