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地域おこしに ドローン使える 空撮体験会、動画受注、操縦学校

9/14(土) 12:07配信

日本農業新聞

 農業だけでなく、地域おこしにもドローン(小型無人飛行機)を活用する農山村が広がっている。地域おこし協力隊を“卒業”した隊員が先生となり農家らに操縦を指導したり、映像で地域の風景を撮影しPRに活用したりと、活用法も可能性も無限大。ドローンを農山村の魅力発信や課題解決の新手法につなげている。

協力隊OB率先 農村の魅力発信 鳥取県大山町

 鳥取県大山町の(株)スカイヤーは全国各地で「ドローンの学校」を開き、多くの人に安全な操縦を教えてきた。同社を設立したのは、同県の地域おこし協力隊員だった宇佐美孝太さん(28)。2016年、「ドローンを使って地域に新たな仕事をつくりたい」と夢を描いて創業した。

 同社はパイロット育成や体験会の企画、導入のサポート、空撮動画受注などドローンを通じた多彩な事業に取り組む。ドローンを軸に地域活性化を目指す自治体の支援も進める。

 同町の兼業農家、岩本克巳さん(56)は、宇佐美さんが先生役となったドローン学校で操縦方法などを教わった。宇佐美さんの農山村再生への熱意を聞いて「自分も鳥取を盛り上げたい」と感じ、現在は同社のスタッフとして働く。

 同社では災害時にドローンで被災状況を空撮するなど課題解決にも活用。PRのためブロッコリー畑や花火大会などの撮影も手掛ける。岩本さんは「ドローン活用の幅はとても多い。地域おこし、農業活性にも利用できるので、今後はJAなどとタッグを組みたい」と意気込む。

 宇佐美さんは「まだまだドローンが代替できる仕事が地方にはたくさんある。ドローンを通じて生産性の向上に貢献したい」と強調する。

徳島県那賀町

 徳島県那賀町の「地域おこしドローン社」は、同町の元地域おこし協力隊員の喜多幸治さん(50)が代表となって起業した。同町は、人形浄瑠璃などの公演を行う「農村舞台」の残存数が日本一で、外観や香りが良い「木頭ゆず」の主産地。喜多さんは「大きな魅力を持っている町。知られていないだけで、PRをうまくやればもっと人を呼べる」と考え、体験会などドローンによる事業を手掛ける。

 喜多さんは15年に同町で協力隊員になり、町内を回って住民にドローンを触ってもらい、理解を広める勉強会から始めた。協力隊員2年目の16年には町役場に「ドローン推進室」が発足。以降、東京都内で行われるドローンの展示会に那賀町ドローン推進室として参加するなど地域のPRに努め、協力隊員として3年の任期が終わった18年に法人を設立した。

 同社は手ぶらで体験できる初心者向けプランの他、ドローンを持参する人向けのスポットを案内するガイドプランがあり、各地から体験希望者が訪れる。喜多さんは「人口が少ないというデメリットは、ドローンを飛ばしやすいというメリットになる。これからは紅葉の季節。ドローンで見たことのない目線からの景色を楽しんでほしい」と呼び掛ける。

 喜多さんの活躍は、地域の力にもなる。同町は「ドローンによる交流人口の増加から、最終的には移住や定住につながってほしい」と期待する。

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最終更新:9/14(土) 12:07
日本農業新聞

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