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《ブラジル》香川県人会剣道部=洗心香武館が創立40周年祝う=世界選手権大会にも選手輩出=山下、山田、高橋3氏を顕彰

9/14(土) 6:12配信

ニッケイ新聞

 「山下先生はいつも先頭に立って皆を引っ張るような方でした」。ブラジル香川県人会剣道部、洗心香武(せんしんかぶ)館創立者の故・山下晴哉(はるか)さんについて尋ねると、女婿である児島昭徳さん(77、二世)はそう語った。8月31日にサンパウロ市ミランドーポリス区で行われた「ブラジル香川県人会剣道部創立40周年記念祝賀会」(高橋エルザ実行委員長)では、同部関係者を中心に112人が参加し和やかに進行した。式典後は剣道のデモンストレーションも行われ、参加者は迫力のある演武に魅入り拍手喝采が起こった。

 式典冒頭、香川県人会の菅原パウロ農夫男会長は挨拶で、洗心香武館の歴史を説明した。同館は1979年に故・山下さんを中心に発足、年々部員を増やし活動してきた。現在部員は約70人でほぼ非日系人。「蛯原先生や深水先生などのご指導の下、全伯選手権大会や世界選手権大会に出場するまでに、その実力を高めています」とその活躍を祝福し、出席者らにお礼を述べた。
 今回表彰されたのは、創立者の故・山下さん、初めて同館の館長を務めた故・山田紀雄さん、2番目に館長を務めた故・高橋増明さんの3人。山下さんの妻の淑子(よしこ)さん(東京都、99)、高橋さんの娘のエルザさんが記念品を授与した。
 来賓らの挨拶後、剣道のデモンストレーションが行われた。蛯原忠男師範の掛け声により、初段から4段までの3組の部員らが居合道、木刀の基本技、日本剣道形を次々に披露。最後は世界大会出場経験のある剣士らが前に出て竹刀を構えた。女性剣士2人の対戦後、6段の深水節夫さんと5段の米田アドリアンさんによる剣道では、甲高い掛け声で竹刀を振り下ろす技に、会場は息を飲んで見守った。
 剣道5段で講師を務める深水和行さん(67、二世)による乾杯の音頭で和やかな昼食会が始まった。故・山下さんの娘・登志恵さんの夫である児島さんは、サンパウロ市の剣道大会で出会った。「当時先生はチエテ移住地(現ペレイラ・バレット)に住んでいた。あの頃はサンパウロ市に集まって稽古や試合をしていたんだ」。
 その後、児島さんは登志恵さんと結婚。山下さんが道場を設立する時から門下生になった。「先生は剣道狂いな人。剣道は8段で、パウリスタスポーツ賞も受賞したんですよ」。今は児島さん自身も南米剣道連盟の会長を務め、後進の育成に精を出している。
 ブラジル剣道連盟の国際担当理事も務める蛯原さんは、「山下先生は綺麗な剣道をする人だった。今もそれが残っており、良い選手を輩出できている」と語った。

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 「香川県人会剣道部創立40周年記念祝賀会」で表彰された故・高橋増明さんの娘、エルザさんは「父は山下先生の一番の弟子。剣道ばかりやっていて、家にはあまり帰って来ない人だった」と笑う。剣道の腕は6段で、「厳しすぎる人で礼儀にうるさかったが、家では優しい父親だった」と父親との思い出を振り返った。

最終更新:9/14(土) 6:12
ニッケイ新聞

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