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[コラム]GSOMIA終了の政治学

9/14(土) 6:46配信

ハンギョレ新聞

 米国が1950年代初・中盤まで独島(ドクト)領有権問題で日本側に傾いていたことは公知の事実だ。1951年8月、当時国務省次官補のディーン・ラスクは、駐米韓国大使館に「独島は韓国の一部として扱われたことがなく、1905年以来島根県の隠岐島の管轄下にあった」という内容の書簡を送ったこともある。しかし、韓国が6・25戦争(朝鮮戦争)の渦中にも決然と独島守護に出て以来、独島領有権問題が韓日葛藤の核心争点に浮上し、米国は一歩遅れてこの問題が韓日関係はもちろん、韓米関係も脅かす雷管になりうることを悟り、中立的立場に転じた。

 先月末、韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)の終了をめぐる論議を見て、当時の独島問題を想起した。韓国政府が協定の終了決定を発表すると、米国は「強い憂慮」と「失望」という表現を用いて詰問した。一方、今回の事件の当初の発端になった日本の輸出規制に対しては何の言及もしないので、事実上日本の肩を持った形であった。しかし、韓国が米国の非難にも退くそぶりを見せず「いくら同盟関係であっても、国益に優先することにはならない」として正面から対抗すると、米国は一歩遅れて韓日双方の責任を共に取り上げて、ほとんどバランスを合わせる側に旋回した。

 安倍政権は、今回の論議の過程で一貫して協定の持続を望むという立場を公開的に明らかにしたが、本当に内心もそうであるかは疑わしい。日本が本当に韓日間の軍事情報交流を望んだとすれば、「輸出規制問題を交渉で解こう」という韓国の提案をあれほどまでに冷酷に断る事案ではないためだ。

 安倍政権は、韓国の戦略的価値を継続的に下げてきた。日本の外交青書で、韓国は数年前までは「基本的価値を共有する隣国」だったが、今や韓日関係は「厳しい状況に直面」したとし、防衛白書では韓国の優先順位がオーストラリア、インド、ASEANに続く4番手に格下げされた。また、安倍首相の外交ブレーンに選ばれる細谷雄一・慶応大学教授は、先日マスコミへの寄稿で「日本にとって地政学的に重要なのは米国と中国であり、韓国の重要度は高くない」として、事実上韓国を無視してもかまわない国として取り扱った。

 日本がこのように戦略的に格別の価値もない国との安保協力をそれほど重視するというのはつじつまの合わない話だ。そのうえ、日本は輸出規制の理由として安保上の憂慮を挙げたではないか。ことによると、日本が「協定維持を望む」と繰り返し言ったのは、破綻の責任を韓国に押し付けるための名分作りではないだろうか。韓日情報協定の実際の終了は、終了通知の90日後に発効する。まだ二カ月以上残っている。日本にとって本当に協定が重要なのであれば、まだ遅くないと言いたい。

 今回の韓国政府の果敢な協定終了決定は“両刃の剣”だったようだ。今回の決定が米国を引き込むための意図で企画されたのであれば、それなりに妙手だったと見られる。実際、米国は日本の経済報復を韓日両国間の問題と見て、一歩引いていた態度を捨てて、直ち敏感に反応した。米国が今後は韓日関係に直接介入するだろうと即断はできないが、少なくとも韓日関係がこれ以上悪化することを防ぐ役割は果すだろうと予想される。

 しかし、その過程で韓米間に不協和音を露呈したことはまた別の変化要因となる。実際、文在寅(ムン・ジェイン)政府が米国に対して「言うべきことは言う」という態度で対抗したのは前例のないことだった。政権発足以降、THAAD(高高度ミサイル防衛システム)配備反対の立場を撤回し、対北朝鮮政策も朝米関係に従属させるなど、米国との関係で一貫して慎重な態度を見せたこととは大きく異なるので、意外であった。今後の韓米関係をどのように解いていくかは、韓国政府が担わなければならない課題となった。

 一部では韓米同盟が危機と主張しているが、そのように見るのは間違いだろう。同盟危機論は何度も出てきたが、顧みれば常に時期遅れのレパートリーに過ぎなかった。私たちの戦略的価値を自ら卑下する必要はない。朝鮮半島は地政学的に米国にも中国にも重要な戦略拠点にならざるをえない。同盟という理由で、意見の相違があっても「良いことは良い」として済ますばかりが能ではない。

パク・ビョンス論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/14(土) 6:46
ハンギョレ新聞

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