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ノーノー中日・大野を蘇らせた2018年の地獄体験

9/15(日) 13:01配信

東スポWeb

 中日・大野雄大投手(30)が14日の阪神戦(ナゴヤドーム)に先発し、史上81人目、92度目のノーヒットノーランの快挙を達成した。126球を投げて9三振を奪い、許した走者は味方の失策と四球の2人だけだった。これで今季は9勝目となったが、2013年から3年連続2桁勝利の元エース左腕も近年は低迷し、昨季は未勝利。トレードの噂も絶えなかった。崖っ縁から這い上がった裏にはいったい何があったのか――。

 思わず童心に帰った。最後の打者となった近本をこの日、最速タイの151キロ直球で三直に打ち取って偉業を達成すると、両手でガッツポーズをつくってピョンピョンと何度も跳びはねて喜びを爆発させた。「ちょっとやりすぎちゃったかもしれないけど、一生に1回達成できるかのものだと思うので、喜びを表現しちゃいました」といたずらっぽく笑った。

 立ち上がりから圧巻の投球内容だった。直球、変化球とも切れがあり、完全試合ペースで進んだが、6回一死で京田の失策から初出塁を許した。しかし、これに気落ちすることもなく、7回まで毎回三振を奪うなど虎打線を完璧に封じ「今日は無駄な力がなく、バランスよく、いろんな球が投げられた。全部良かった」と胸を張った。

 本拠地ナゴヤドームでは2006年に山本昌が達成して以来、竜2人目とあって「自分には縁がないものと思っていたので、山本昌さんと一緒に名前が残るのはすごくうれしい。5回くらいから絶対打たれるやろなって思って投げていたけど、最後の回はファンのみなさんの大野コールがあったので、狙おうと思った。最高です」と興奮が収まらなかった。

 2013年から3年連続2桁勝利を挙げながら、昨季はルーキーイヤー以来、7年ぶりに白星なし。近年の低迷ぶりにトレード要員として噂されることが増えるなど屈辱を味わってきた。他球団のOBから「このまま中日にいるよりもウチに来いよ」と冗談交じりに声をかけられることもあったという。

 それでも大野雄は腐ることもなく「去年あかんかったのは自分のせい。結果を残せられなかったのでトレード要員になってもそれは仕方がなかったと思う。もともとけがをして獲ってくれたのが中日(ドラフト当時は肩を痛めていた)だし、このチームの勝利に貢献したいだけ。去年全然あかんかったのに開幕から使ってもらって何とか9勝してノーヒットノーランを達成できて、ちょっとは返せているのかな」と照れ笑いする。

 このまま選手生命が終わってしまう危機だったが「去年、中途半端に勝ってたらそのままだったと思う。去年がどん底すぎたんでそれで変われたと思う」と今ではどこまでもポジティブ思考だ。

 順調なら来季中に国内FA権を取得するが「残ってほしいと思ってもらえる選手になれるように頑張るだけです」ときっぱり。チームは残り11試合となり「一つも落とせない試合が続いているので最後まで順位が確定するまで全員で戦っていきたい」。

 どん底から一念発起した男が最後までチームを力強くけん引するつもりだ。

最終更新:9/15(日) 13:04
東スポWeb

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