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SIE WWS吉田修平氏インタビュー。『The Last of Us Part II』の新情報は間近? アジアへの注視など、TGSの印象を訊く【TGS2019】

9/15(日) 16:02配信

ファミ通.com

文・取材:世界三大三代川

勢い溢れる東アジアデベロッパーに吉田氏も注目!

 千葉・幕張で開催中の東京ゲームショウ2019(2019年9月12~14日開催。12、13日はビジネスデー)。2019年9月13日に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏へインタビューをする機会を得た。

 吉田修平氏は、E3や東京ゲームショウなどのイベントごとにインタビューをさせていただく機会があり、そのたびに、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の注力タイトルや、ゲーム好きで知られる吉田氏の注目タイトルなどをうかがっている。今回も、そんな吉田氏にいろいろとお話をうかがった。



――ゲームショウ会場はひと通りご覧になりましたか?


吉田ええ。昨日は、ほぼ1日見て回れました。


――ここがよかった、というのは?


吉田朝イチで『サイバーパンク2077』ブースへ行って、生でプレイするプレゼンを拝見して。聞いてはいましたが、あれはすごかったですね。あと、最近はアジアのゲームに注目していまして。チャイナジョイに行ったときにmiHoYoさんの『原神』がすごい人気だったんですよね。でも、あまりに人気すぎて遊べなくて。今回の東京ゲームショウ2019では、SIEブースにも出展されているので、開場前に遊ばせてもらっちゃいました(笑)。中国デベロッパーは、今後も要注目ですね。

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――中国メーカーは、最近とくにコンシューマ(家庭用ゲーム機)に力を入れていますよね。


吉田そうなんです。もともとは中国国内でコンシューマが少なかったので、モバイルやPCに力を入れていた方々が多かったんですが、中国国内での規制などの影響でグローバルに出ていこうという風潮になってきて、コンシューマに力を入れるようになっています。皆さんとお話をすると、デベロッパーの社長さんが30代前半と若かったりして、「子どものころにプレイステーションで遊んでいたから、PSフォーマットでゲームを作りたかったんです」なんて、熱意を持って言ってくださって。話していて、とても気持ちいいですね。20年前の日本のゲーム業界のようで、我々が初代プレイステーションを作っていたころを見ているような熱さを感じます。

 また、中国だけじゃなく、我々もアートの面などでお世話になっているマレーシアのPassion Republicさんの『GIGABASH』だったりと、オリジナリティーを持って作品に挑んでいる点が印象的ですね。

 あとは手前味噌のようなイメージになってしまいますが、昨日のラストに行われた、『デス・ストランディング』ステージはよかったですね。私は事前に少しだけプレイをさせていただいていて、どんなゲームかは知っていたんですが、オンラインでほかのユーザーさんとつながって助け合うというのが、実際にプレイの流れで見ると、こうなるのかと。

『デス・ストランディング』ゲームシステムがついに判明! 世界中のプレイヤーと間接的に繋がりながら分断された世界を繋ぐ【TGS2019】
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――ユーザーとしては、ゲームの流れの紹介で「こういうことなのか」とわかった感覚があると思います。


吉田これまでのキャラクターや世界観だけでも十分におもしろそうだと思ってもらえていたと思うんですが、ゲーム性もほかにないオリジナリティーに溢れていて、これはイチオシというか、今年発売のゲームでいちばん期待しています。


――昨年のステージでもものすごい人数が集まっていましたが、昨日はビジネスデーにも関わらず、ステージにすごい人だかりができていましたね。



吉田そうですね。去年は、小島監督の直前のステージに私が出演していて、小島監督を待つものすごい人数の人たちの前で、うちのゲームの紹介をさせてもらうという、なかなかない体験をさせていただきました(笑)。プレッシャーはありましたが、おかげで多くの方に聞いていただけて。一般日はまたすごいことになるかもしれませんね。


――楽しみです! SIEとしては2019年はE3には出展せず、gamescomや東京ゲームショウなどには出展されていますよね。これは、やはり客層の違いなどがあっての意図でしょうか?


吉田E3はもともとビジネス向けのトレードショウで、かつ、新しいタイトルを発表するのがメインの場になります。今年のE3のタイミングでは、新規で発表するものよりも、『デス・ストランディング』や『The Last of Us Part II』、『Ghost of Tsushima』など、これから発売するものへ力を入れる状況でしたので、続報がメインになることを考えると、E3での出展はパスしようとなったんですね。一方、東京ゲームショウもそうですし、gamescomやPAXなどの一般のお客さん向けのイベントでは、これから発売される新作をアピールする場になりますから、それらをしっかり遊んでもらうために出展しています。


――なるほど。確かに今回の東京ゲームショウでもいろいろと試遊台を出されていますね。そんなSIEの今回の目玉は?


吉田『デス・ストランディング』はもちろん目玉になりますが、今回は試遊台がないので、試遊があるものとしては『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』ですね。大きく展開しています。ただ、こちらはSIEはパブリッシャーとしての担当ですので、私が関わっているタイトルとしては、『マーベルアイアンマン VR』(以下、『アイアンマン VR』)がイチオシになります。あれはもうビックリしますよ。遊びましたか?


――昨日体験させていただきました!


吉田どうでした? 


――VRとしての発想はオーソドックスなのかもしれませんが、「ここまでできるのか!」という驚きがありました。


吉田そうそうそうそう!(興奮気味に)。そうなんですよ。楽しいですよね。操作も直感的ですし。じっくり遊んでもらう都合上、プレイできる方の人数は限られていますが、ぜひ体験してほしいですね。


――『アイアンマン VR』はこれまでのVRのゲームよりも、次世代と言いますか、新たなステージに来ている印象がありました。


吉田一歩踏み出していますよね。VRの始めのころは作り手も遊ぶ側も慣れていない人が多くて、酔いの問題や見えない周囲への安全性などを重視しなければいけなかったこともあり、座って遊ぶゲームやあまり移動しないゲームが多かったんですよね。でも、『アイアンマン VR』は立った状態でぐるぐる回りながら遊んだほうがおもしろくて、これはいままでにはなかったVRのゲームだと思います。

 ユーザーさんもVRに慣れてきて、たとえば『ボーダーランズ2 VR』や『ザ エルダースクロールズ V:スカイリム VR』など、ワープで動く移動手段もいいけれど、もうふつうに自由に移動したいと。というのも、人間の脳ってだんだん慣れてくるんですよね。VRは感覚の不一致が起きると酔うんですが、脳がVRに慣れてきて、感覚不一致が起こりづらくなった。それに合わせて、慣れた人はもちろん、初めての人でも徐々に慣れてもらうような仕組みを作って、自由に移動が楽しめるものが増えてきたと思います。

 そういう意味では、最近VR対応になった『No Man's Sky(ノーマンズスカイ)』もすごくよくできていますね。PS Moveだとボタンが足りないんですが、それをジェスチャーなどに当てはめて、自然にゲームに合った形のUIになっていて。VRユーザーが望んだものができていると思います。



――今回出展されたSIEタイトルなどを見ると、SIE WWSの中でも、JAPANスタジオのタイトルが見えない状況になっているように感じますが、新作へ向けた準備中なのでしょうか?


吉田『ASTRO BOT』と『みんなのGOLF VR』で出し尽くしましたね。みんな休憩と言いますか、つぎへ向けて仕込み中です。最近、ゲームの開発はとくに時間がかかりますから。JAPANスタジオのラッシュが続いたので、皆さんにはちょっとお待ちいただきたいなと。いつ発表できるかわかりませんが、つぎのタイトルの中にももう遊べるところまで動いているものがあって、すごく楽しいものを仕込んでいますので。


――期待しています! JAPANスタジオとしては、『ASTRO BOT』がゲームデザイナーズ大賞を獲得しましたね。


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吉田ああ、そうなんです。私もびっくりしました。桜井さん(桜井政博氏)すごいですね! ステージ上でPS VRをかぶって、プレイしながらしゃべるという。本当に感謝感謝です。うちのタイトルは、オリジナリティーを求めるのが社風ということもあって、ゲームデザイナーズ大賞を何度かいただいたことがあったんですが、それを『ASTRO BOT』でも認めていただいたというのは、とてもうれしかったです。


――さらに、『Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)』や『Detroit: Become Human』も優秀賞を獲得されました。


吉田10年くらい前は、私は「海外にすごくいいゲームがあるのに、なんで日本のユーザーさんはやってくれないんだ」と嘆いていたんですが、最近は海外開発のゲームも国内のゲームと変わらず売れるようになって。だから、うちのセールスマーケティングも力を入れてくれて、2年前にあった『Detroit』の東京ゲームショウでの展示もすごく好評でしたし。今回は、開発元のQuantic Dreamも来日してくれたんですが、海外のデベロッパーは日本文化をすごく好きな方も多くて、自分たちのゲームが日本のユーザーさんに認められる、受け入れられるというのは、このうえない喜びのようですね。

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――海外スタジオ開発のタイトルがとても充実していますが、そうなると最近あまり続報のない『The Last of Us Part II』や『Ghost of Tsushima』の動向が気になりますが……。


吉田Twitterなどを見ていると、『The Last of Us Part II』の情報がもうすぐ出てくる雰囲気になってきていますね(笑)。いま一生懸命に作っていまして、そろそろ情報も出始めると思います。まずは『デス・ストランディング』を遊んでいただいて、その後は『The Last of Us Part II』をお楽しみに。

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――日本にもファンが多いタイトルですからね。『Ghost of Tsushima』のほうはいかがでしょう?


吉田あれもすごいんですよ。グラフィックに圧倒されるゲームになっていまして、プレイしていて、キレイすぎて手が止まっちゃうくらいなんです。日本の景色の美しさを1.2倍にしたようなゲームなんですが、そういう美しいシーンがいっぱいあって、私も楽しみにしています。


――ではラストに、吉田さんのインタビューではほぼ恒例になっているインディーのお話に……。最近ではPS4で『Celeste(セレステ)』が……。


吉田(食い気味に)ついに出ましたね! 海外ではPS4で出ていたんですが、日本のPS4では出ていなくて、ハチノヨンさん(日本のパブリッシャー)に「日本でも出さないんですか?」とお話したりもしたので、出てくれてとてもうれしいです。超イチオシです!


――吉田さんは本当にインディーがお好きですよね(笑)。あと、PS Vitaで『グノーシア』も出たりして、バラエティー豊かなゲームが出ていますね。


吉田インディーメーカーさんはやはりPCで作っていますので、マルチプラットフォームで出すのがいいと思うんです。PCでヒットして、それが家庭用ゲーム機に移植されるケースが多いので、その結果、家庭用ゲームファンにとってはおもしろいゲームが手に取りやすくなりますし。先ほど、海外のゲームが国内ゲームと同じように売れるようになったと言いましたが、インディーゲームも特別なものではなく、ヒットが生まれる状況になってきていますよね。ファミ通さんでもほかのゲームと区別なくクロスレビューをしていただいて、日本のユーザーさんもまったく抵抗がなく遊んでいただいている状況になっているのが、すごくうれしいなと。昨日もそんな話をLayerQ(インディーゲームの実況プレイなどで知られるストリーマー)としていました(笑)。


――インディーでヒット作が増えると、ますますインディータイトルが増えて、注目作も増えていきますね。


吉田冒頭でも言いましたが、アジアのインディーゲームデベロッパーのレベルが非常に上がっていて。うちもChina Hero Project(ミドルウェアメーカーなどと協力して行う、中国クリエイター支援のプロジェクト)というのをやっていますが、とくに中国はレベルの上がりかたすごくておもしろいですね。まだまだ作り込みやポリッシュ(ゲームのブラッシュアップ)などの部分で欠けているところはありますが、若いデベロッパーならではの意欲を持っていて勢いがありますので、何年かしたら、日本のゲーム業界を追い抜くかもしれないと、そう思えるくらいのデベロッパーも出てきています。私のイチオシは、PSブースにも出ているmiHoYoさんの『原神』です! ぜひ注目してみてください。

最終更新:9/25(水) 7:20
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