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向井理、“正解がない芝居”を探求 主演舞台で赤堀雅秋氏とタッグ

9/15(日) 8:00配信

オリコン

 俳優の向井理(37)による主演舞台『美しく青く』が9月22日にTBSチャンネル2にて独占放送される。シアターコクーン30周年記念公演として今夏上演された同舞台では劇作・演出家の赤堀雅秋氏と向井が初タッグ。以前から赤堀作品のファンだという向井は、「できることならやらないほうが楽なんですけど、舞台は僕にとって修行。赤堀さんとやるならば覚悟をもってやろう」と飛び込んだ本作で、探求した“正解がない芝居”について語った。

【写真】野生の猿に対抗すべく自警団を結成する青年を演じる

 物語の舞台はかつて大きな災害に見舞われた町。山を背負い、海を抱くその町は都市のきらびやかさとは無縁。災害から8年を経て日常を取り戻しつつあるかに見えるが、新たな問題を抱えていた。人なれした野生の猿が田畑の作物や人家の食べ物を狙って荒らし、時には人間にも危害を加えるようになったのだ。主人公の青木保(向井)や町の男たちは猿害対策のための自警団を結成し、日々不毛な争いを繰り返していた…。

 インタビュー日は東京公演のまっただなか。本番後、舞台衣裳のままに取材が始まった。「赤堀さんは正解をくれないので、今でも迷いながら演じています。僕は感情を吐露する場面がほとんどなく、負荷をかけ続けられる役でもある。日によってせりふの言い方も変わっていると思いますし、舞台ということを忘れて、ここは(劇中の)居酒屋だと思いこんで演じるようにしています」。

 「なにが正解なのか全然わからない」と悩みながらも、日常会話が軸となるこの作品だからこそ、ナチュラルな芝居を心がける。「台本通りやっていますけど、『たまたまそういう言葉になっていること』を意識しています。(せりふの)順番が来たから、言うのではない。普段、自分が言うことってあまり考えていない。だからせりふを“忘れる作業”をしています。結果的に一言一句違わずに、もちろん忘れることはできないのですが、次になにが起きるか、忘れるように意識はしています」と常にまっさらな状態を心がける。

 そして、「演じている側としては舞台でお見せするからには、なにかを生み出さないといけないと思う。事件が起きたり怒ったり泣いたり、感情をわかりやすくみせるのがある種、僕らの仕事だと思います。ただ今回はそういった作為的なものはないようにみせ、それでも伝えなきゃいけない」とこの作品だからこその魅せ方を模索している。

 例えば、大東駿介演じる自警団のメンバーで農業に従事する古谷勝と保は幼なじみという設定。劇中ではその関係が危うくなるが、向井は赤堀氏に「最初は肩を組んだりなどしてみたら、より幼なじみらしさが伝わるのでは?」と尋ねた。しかし赤堀氏は「2時間15分のなかで関係が破綻するのではなく、最初からなにかしら根に持っているんだ。崩壊は開演の前から始まっている」と返したという。これは向井にとっても目からウロコの提言だった。

 「なるほどな、全然わかってなかったなと。2時間のなかでドラマが始まって終わるわけではない。だから“何も見せなくていい”と本番前に切り替えた。それでも根に持っている感情を抱えながら演じれば、なにか見えてくるだろうと。もちろん、せりふは丸暗記しているんですけど、『ねぇ』といきなり言われてもテンポよく返さないとか、なるべくテクニックにならずに、のりしろがあるように考えています」。これも向井が正解のない芝居のなかで生み出した一つの演じ方であった。

 また、今回のTBSチャンネルでの放送を控え、「『映像的だね』とおっしゃってくださる方も多々いらっしゃって、劇場で生で見るのとは違う楽しみ方があると思うので、舞台を観た人にも観てもらいたいです」とアピール。「特に僕は今回せりふも多くないですし、芝居としては能動的な主人公ではないので見逃した部分も映ってたらいいな。画面で切り取った時に違う伝わり方もするのかなと思います」と映像ならではの表現にも期待を寄せている。

最終更新:9/22(日) 9:25
オリコン

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