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「妻不足」のため婚家で性奴隷扱いされる女性たち インド

9/15(日) 12:02配信

The Telegraph

【記者:Joe Wallen】
 マージダさん(身元を特定されないよう仮名)は、結婚式以降に自身が味わった地獄について震えながら語った。わずか17歳でインド北部のウッタルプラデシュ州在住のトラック運転手の元に嫁いだときはまだ、それからひと月もたたないうちに、夫の兄弟2人の妻の役割まで担わされ、拒否するとレイプや暴行を受けるようになるとは思いもしなかったという。

 マージダさんが住むウッタルプラデシュ州バグパットは、インド国内では男女比の格差が特に激しい場所として知られ、2014年には国連が、男女比の不均衡が「緊急事態」に達したと警鐘を鳴らした地区だ。

 バグパットでは娘より息子が望まれる傾向があり、2011年の政府の統計調査によると、同地区には男性1000人に対し女性は856人しかいない。

 インドでは、男女産み分けも性別による堕胎も違法だ。しかし、男児が望まれる傾向があまりに強く、バグパットでは、教育を受けられない貧困層の男性たちは結婚相手を見つけられずにいる。

 その代わりにこの地域では花嫁が買われている。嫁いでくるのはウッタルブラデシュ州外の困窮した家庭の女性たちだ。女性たちは、正式には兄弟の1人と結婚するが、一妻多夫制で、他の兄弟の妻の役割も担わなければならない。

 マージダさんは隣のウッタラカンド州出身で、両親はアイスクリームを売って生計を立てていたが、子供たち全員を養うだけの収入を得られず、結婚によってマージダさんはより良い生活を送れるようになると信じていた。

 一方、マージダさんの婚家は、地元では女児は堕胎されるために女性の数が不足しており、州内では息子たちの結婚相手を探すことができないため、マージダさんを「買い取る」ための資金をためた。そうしてマージダさんと家族が知らないうちに、マージダさんは兄弟3人全員の花嫁として迎えられた。

 マージダさんは子供2人を産んだものの、兄弟のうち誰が父親か分からないという。

 ウッタラカンド州の実家はマージダさんが受けている仕打ちを知っているが、警察に捜査してもらうための資金を持っていない。犯罪が行われた場所は別の州であるため、警察に捜査してもらうためには資金を払う必要があるのだ。

 娘より息子を望む考えは、インド社会に根強い。

 女性が結婚する際は必ず、家族が婚家に対して相当な持参金を支払わなければならない。つまり、息子がいれば、経済的に潤うことになる。一方で、親が娘を持ちたがらないのは、子供のときにどれだけ面倒を見ても、娘はやがては実家を出て、婚家の面倒を見なければならなくなるためだ。息子がいれば、自分たちが年を取ったときに面倒を見てくれる義理の娘をほぼ確実に手に入れられるというわけだ。

 インド政府の統計によると、ウッタラカンド州内の132の集落でも、今年5月から7月にかけて産まれた男児は200人いるのに対し、女児は1人も産まれていない。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:9/15(日) 12:02
The Telegraph

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