ここから本文です

丸刈り頭を傾けて マラソン園田隼に重なるレジェンドの面影

9/15(日) 7:10配信

西日本スポーツ

 東京五輪のマラソン代表を決める注目のグランドチャンピオンシップ(MGC)の号砲は15日に鳴る。五輪とほぼ同じコースを走る男子31人、女子12人の中には、歴代のオリンピアン(五輪出場選手)の意思、会社や部の伝統を背負って走る選手も多い。レガシー(遺産)を受け継ぎ、新たな歴史を紡ごうとするランナーたちを紹介する。

【写真】独特の苦しげな表情で走る君原健二

    ◇    ◇ 

 丸刈り頭、首を傾けるフォーム。八幡(北九州市)が練習拠点…。昨夏のジャカルタ・アジア大会代表の園田隼(黒崎播磨)は長年の陸上ファンから「君原健二に似ている」と話題に上る。

 「園田も君原さんと同じく、実直に陸上に取り組む雰囲気を出している。限界をつくらず、日々、同じことを繰り返せる強みがあるので絶対にレースで崩れない」。渋谷明憲監督はまな弟子に厚い信頼を寄せ、重圧のかかる選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」でも安定した走りを期待する。

 1964年東京から五輪に3大会連続で出場した八幡製鉄(現日本製鉄八幡製鉄所)の君原氏は「練習量が強さの指針」と信じ、1日平均20キロを走って体力と脚力を培った。園田も入社2年目の2013年にマラソン練習を始めると、君原氏も練習した鞘ケ谷競技場(北九州市)で1周400メートルのトラックを100周した。ロードの40キロ走と違い、風景が変わらず、精神的にきつい。「無心の境地になった。おかげでレースでは心にゆとりができた」と「心のスタミナ」も強化した。

 1万メートルの自己記録は28分52秒49。スピードを武器にできない分、タフな走りで終盤までペースを維持する走りが持ち味だ。ゴール時点の気温が30度まで上がったアジア大会でも4位と粘った。

 黒崎播磨は1956年に八幡製鉄と提携。陸上部が「同好会」に縮小した同社の期待も園田は背負う。アジア大会前に八幡製鉄OBから暑熱対策などの参考資料をもらったが、64年4月の東京五輪最終選考会で一定ペースを保って優勝した君原氏のレースぶりも書かれていた。「本番で力を出せる人が強い」。残暑が予想される今回、偉大な先輩を思い起こさせる粘りは大きな武器になる。 (末継智章)

西日本スポーツ

最終更新:9/15(日) 7:10
西日本スポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事