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一塁手は身体能力だけでこなせるポジションではない  明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督が語る「一塁手守備練習」

9/15(日) 21:01配信

高校野球ドットコム

実は難しい「一塁手の守備」

 8月30日から韓国で開催された「第29回WBSC U18ベースボールワールドカップ」において悲願の世界一を目指した侍ジャパンU‐18日本代表は残念ながら5位という結果に。9月6日の韓国戦では2点リードの8回二死からミスで失点してしまい同点。そのまま延長タイブレークの末に敗れ、翌日のオーストラリア戦も落とし大会を終えてしまった。

 よって大会後には野手選考法を問題視する声も数多く上がった。中でも強く指摘されたのは選手たちが所属チームとは異なるポジションでのプレーを強いられた点。客観的に見ても先に記した失点につながるミスは、そのことが原因となったことは否めない。

 「普段と違うポジションをいきなりやらせるのは難しい。特に一塁手は遊撃手をできる身体能力だけでこなせるポジションではない。一塁手専門の守備練習を事前に少しでもやっておくことが必要なんや」

 
 甲子園通算51勝の明徳義塾(高知)馬淵 史郎監督も、代表チームにおける守備の重要性を指摘する1人。ここで出てきたキーワードは「一塁手」である。

 実際、馬淵監督は常に「三塁手より一塁手の方に守備がうまい選手をおく」持論を有しており、実際も明徳義塾の一塁手は例年、他校と比べても守備能力が高い。特に内野手の送球に対する捕球技術の安定性は全国屈指といっても過言ではない。

 ただ、そういった一塁手守備は一朝一夕にして出来上がるものではない。今回は秋季高知県大会を目前に控えた明徳義塾の練習から「一塁守備」に特化したメニューと一塁手の注意点を取り上げていきたい。

一塁手の送球待機姿勢は「半身でグラブを地面に付ける」

 アップ、シートノックに続き、守備側と攻撃側に分かれたケースバッティングに入った明徳義塾の練習。その横で内村 英二郎コーチが一塁手への個人ノックを始めた。置きベースにつま先を当てて送球に見立てたノック打球を捕球しようとする選手に、すかさず内村コーチから声が飛ぶ。

 
 「そうじゃない!ベースの面に足を置くんだ!」ボールケースをベースに見立てて足の形を示す内村コーチを見ながら馬淵監督が説明を加えてくれた。

 「最初にこうしうとかないと少しでもボールが逸れるとベースを足で探してしまう。そこで踏み外しが起こってしまうんよ。そこでもし送球が大きく逸れたらベースを外して捕球すればええんや」

 2017年夏の甲子園・大阪桐蔭vs仙台育英戦で仙台育英の逆転サヨナラにつながった「一塁ベース踏み外し」。確かにあの時も大阪桐蔭の一塁手はベースを後ろ脚で探してしまっていた。

 
 そしてもう1つ、明徳義塾の一塁手守備練習で留意しているのは、送球を受ける時の待機態勢。明徳義塾では半身でグラブの先を地面に付ける待機態勢を徹底している。その理由は明確である。

 「送球がワンバウンドになった時、すくい上げるために最初からこの形を作っておくんよ。この形にしとけばもし完全捕球できない時も前にしか弾かないから大きなエラーにはならない。あとは送球の高さによってグラブと身体を動かせばいいんや」(馬淵監督)

 
 よって基本のゴロ取りでも一塁手は待機姿勢を保ったままでの捕球が加えられる。こうやって明徳義塾では堅実な一塁手を育て上げていくのだ。

「一塁手の守備向上」にこだわれば、強いチームが作れる

 その他にも「一塁手が送球を受ける時は的になれるように早めに送球の待機姿勢に入るのが大事。逆に送球時には一塁手が待機姿勢に入れるような「間」を作ってやることが大事」など、一塁手の極意を様々な視点から教えてくれた馬淵監督は最後にこう締めた。

 「いい一塁手がいるチームは強い。失点が確実に減るからね」

 これは高校野球のみならず小中学野球や草野球に至るまでの共通項。ぜひ皆さんも簡単な練習でできる一塁手の守備向上に取り組んでみてはいかがだろうか。

寺下 友徳

最終更新:9/15(日) 23:04
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