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保守管理新計画策定へ 第一原発構内設備 

9/16(月) 8:15配信

福島民報

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から八年半が経過した。この間、原発構内に、廃炉・汚染水対策に必要な施設や設備が次々に建設される一方、事故発生後に使われなくなった建物に目が行き届かず経年劣化する場所が出てきている。東電は故障や事故を防ぐため、二〇一九年度末までに、新たな長期保守管理計画を策定する。

 東電によると、原発事故発生前にあった設備点検の長期計画は通常運転時のもので、原発事故が起きた現状に適しておらず、構内の管理が細部まで行き届いていない。さらに、廃炉作業に伴う汚染水浄化設備などは、経年劣化を考慮した長期的な管理計画になっていないという。

 今年一月、福島第一原発3、4号機の共用排気筒で、地上約七十六メートル地点に足場として設置されていた重さ約二十二キロの鉄板が落下した。老朽化が原因だった。けが人はいなかったが、重大事故につながる可能性があった。東電は三十~四十年かかるとされる廃炉完了までを見据えた長期の保守管理計画が必要だと判断した。

 計画策定に向け、原発構内の全設備から破損すると放射性物質が漏れる恐れのある設備、原子炉格納容器内の安定状態を監視する計器、倒壊する危険性のある構造物や作業通路近くにある設備などを抽出してリスト化する。設備・機器の重要性や危険の度合いに応じて優先順位を設定し、修繕や補強などを進める。

 設備の現状に加え、今後の経年劣化による腐食、コンクリートの強度低下、熱・放射線による変質などを予測し、修繕が必要な時期を見極める。現在実施している点検も内容や周期を見直す。

 二〇一九年度末までに優先度の高い設備について個別の計画を取りまとめる。その他の設備対策は二〇二〇(令和二)年度以降に検討する。策定後、現場の状況を踏まえながら計画を更新する。現場パトロールなどの監視方法や頻度も改め、リスクを低減させる。

 東電は「現状の管理は十分とは言えない部分がある。経年劣化を踏まえた適切な保守管理で廃炉作業を安全、着実に進めたい」としている。

 原子力規制庁は新たな長期保守管理計画に基づく対策が講じられているか東電を監視する。

最終更新:9/16(月) 9:49
福島民報

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