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【会津誘客協の発足】点と点をつなぐ(9月16日)

9/16(月) 9:51配信

福島民報

 会津若松市の二つの温泉と旅館・ホテルを中心とした会津若松誘客協議会が発足した。芦ノ牧温泉と東山温泉、市街地のホテルの間には、それぞれ距離があり、一体となった観光誘客は課題の一つだ。協議会には、それぞれの点をつなぎ、統一された企画の推進や情報発信による宿泊客増への期待が高まる。

 観光客の目的が多彩になり、訪日外国人客(インバウンド)が増加する中で、これまでの枠組みを超えた連携に踏み込んだ。両温泉地の旅館と市街地のホテルが軸となり動きだした。市全体の宿泊情報をまとめた冊子を作るなどして、滞在型観光を進める。

 メインに据える滞在型宿泊の誘客には芦ノ牧、東山の両温泉の連携が不可欠だ。成功例として、二〇〇五(平成十七)から開催された「新緑の会津再発見!ツ~湯~フェスティバル」がある。ウオーキング大会を核に各種の催しを絡め、宿泊に誘導するため前夜祭を開いた。宿泊客が減少する五月の連休明けの「新緑」を強調し、魅力を伝えた。泊まりたくなる仕掛けづくりは参考になる。

 最近は、体験型の観光も注目されている。生の三味線や鼓の音色と唄に合わせる東山温泉芸妓[げいぎ]の踊りや、芦ノ牧温泉観光協会が昨年から始めたスノーパークなどは、観光客にとって貴重な鑑賞、体験の場として評価が高い。それぞれが持つ「宝」を共有するような連携も必要だ。

 誘客に加えて、足元にも関心を寄せてほしい。東山温泉の夏の風物詩として続く東山盆踊りは、市民や宿泊客が大勢訪れる。ただ、昔の盆踊りを知る人は「規模が次第に縮小している」と寂しさを感じる。東山温泉の後背地に当たる背炙山[せあぶりやま]では一九八五(昭和六十)年まで、ロープウエイが運行されていた。盆踊りの際は特別に夜間の運行もあり、市内からの参加者が多かったという。

 協議会には、市民が芦ノ牧、東山の両温泉地を訪れる取り組みも求める。夜ばかりでなく、昼の行事を組んで来てもらえば、地元温泉地の現状を知る機会にもなるのではないか。市民の理解が得られれば、市や県、国など行政機関から支援の資金などの手助けが受けやすい。観光客の大幅増は市の目標にも重なる。

 会津若松市には旅館とホテルが約五十施設ある。協議会の効果的な活動のためにも、同業の仲間を増やしていくべきだ。観光は会津若松市だけでは完結できない。地元を固め、周辺市町村の温泉地や観光地ともつながる発想があっていい。(安斎 康史)

最終更新:9/16(月) 9:51
福島民報

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