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【特集】難病の59歳アーチェリー選手 妻と二人三脚で東京パラリンピックへ挑戦

9/16(月) 15:06配信

MBSニュース

東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで1年を切りました。原因不明の難病と戦いながら繊細な技術と揺るぎない精神力が求められるアーチェリーに挑むパラリンピック選手を取材しました。

東京パラリンピック内定の仲喜嗣さん

奈良県大和高田市の仲喜嗣さん(59)。車イスから、次々と鋭い矢を放っていきます。仲さんは今年6月、障がい者アーチェリーの世界選手権で銅メダルを獲得し、東京パラリンピックへの出場を決めました。50m先にある直径80cmの的を狙いますが、中央が10点で外側へと外れるにつれて1点ずつ下がっていきます。

「打つ時に1mm変われば的では1cm2cm変わる。1cm変わると的には乗らない。」(仲喜嗣さん)

仲さんは病気の影響で握力が落ちてしまったため、特別な道具を使っています。

「握力がないので、これ(道具)を使っているんですけど。(道具にある)爪が弦にひっかかる。ひっかけて、構えて(ボタンを押す)。(Qボタンを押すことで弓を発射できる?)そうそう、だから、握力がなくても使える。」(仲喜嗣さん)

青年時代はサーフィンなど様々なスポーツに打ち込んでいましたが、会社勤めをしていた30代のころ、全身の筋力が低下する原因不明の難病「トリプルA症候群」を患いました。

「(トリプルA症候群は)ふらつき、めまい、運動神経に関しては手足の動きが悪い、筋力低下が進行性で起こってくる。人間は体温調節していくわけですが、それがうまくできない。暑いと感じたら暑い状態がずっと続いてしまう。」(奈良県立医科大学 杉江和馬教授)

仲さんを支える妻・奈生美さん

仲さんがアーチェリーを始めたのは46歳の時。友人から誘われたのがきっかけでした。

「健常者・障がい者問わずに戦える魅力があった。自分自身のメンタルや生活もそうなんですが、世界の友達やいろんな国に行けたのも、振り返ってみると全て財産につながる。私の人生を救ってくれたスポーツ。」(仲喜嗣さん)

そんな仲さんを支えてきたのは妻の奈生美さん(51)でした。

「アーチェリーやっていなかったら病気がもっと進行していたと思う。リハビリの先生とか医師からも、この状態でアーチェリーができているのが信じられない、と言ってもらえている。アーチェリーと出会えてよかった。」(妻・奈生美さん)
「(妻が)居なかったら、私は何もできないと思います。アーチェリーも居てくれてないと、ここまで続けられていないと思います。」(仲喜嗣さん)

繊細な技術と強靭な精神力を求められるアーチェリーの奥深さにのめりこんだ仲さんはその後、会社を辞めて本格的にパラリンピックを目指すようになりました。

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最終更新:9/16(月) 16:54
MBSニュース

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