ここから本文です

パラカヌーテスト大会で見えた競技会場の課題「多目的トイレ増やしてほしい」の声も

9/16(月) 5:00配信

TOKYO HEADLINE WEB

 2016年のリオデジャネイロ大会からパラリンピックの正式競技になったカヌー。東京2020大会の舞台、海の森水上競技場では今月、本番を想定した大会が相次いで行われた。

 9月6日には、新設の五輪会場で初となるカヌーの公式大会「日本パラカヌー選手権大会」が、12~15日には約40カ国から選手が集結し行われた国際大会「READY STEADY TOKYO-カヌースプリント&パラカヌー」がそれぞれ開催。選手にとって、本番会場でレースできる貴重な機会となったなか、競技環境の課題も語られた。

 カヌーのスプリント種目は、パドルを使ってカヌーを漕ぎ、速さを競う水上での競技。1艇に1人が乗り、8艇が一斉にスタートする。パラリンピック競技となっているのは障害物のない直線コースで着順を競う個人200メートルスプリントで、リオ大会で行われたカヤック種目に加え、東京大会では、ヴァー種目が加わる。

 8月にハンガリーで行われた世界選手権では、女子カヤックの瀬立モニカ(KL1クラス)が5位に入り、6位以内に与えられる東京パラリンピックの出場枠を獲得。カヌーでパラリンピック出場日本人第一号となった。この日も「海外の選手が来るので実力を試せるいい機会ですね。この会場でできる最後のレースになるので、気合いを入れて臨みたいです」と意気込みを語った。

 前回リオ大会の金メダリストも来日した。13日の男子カヤックKL2クラス決勝レースで2位につけたカーティス・マグラス(オーストラリア)は、「良い建物で練習できてうれしい。東京に向けて良いアドバンテージになる」とテスト大会を振り返った。

 一方、選手からは競技会場についての意見も聞かれた。会場となる海の森水上競技場は臨海部に位置し、海風が強いのが特徴だ。男子カヤックの加藤隆典(KL2クラス)は「これだけ海に近い会場は海外でもなかなかないですね。一番嫌なのは横風。バランスを取れなくなってしまうので。海水の塩分で“カヌーが浮く”と話す選手もいました」と、選手ならではの視点を語った。

 またバリアフリーに関しての意見も上がった。「多目的トイレを増やしてほしいですね。建物内に多目的トイレがひとつ、とかしかなかったので。特にレース前は利用者が集中すると思う。これだけ車いす利用者が一堂に会する機会もなかなかないので、仮設でもいいから増やしていただけると助かります」と語った。

 海の森水上競技場では、そのほかにも、猛暑対策として雪を降らせる実験が行われるなど、安心・安全な競技運営に思案が続いている。バリアフリーや暑さ対策、アスリート・ファーストの視点。今後はテスト大会で見えてきた課題の解決が求められる。

(取材・文 丸山裕理)

最終更新:9/16(月) 5:00
TOKYO HEADLINE WEB

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事