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10年で100店舗達成の焼き鳥店 ファミリー層も惹きつけた「ブルーオーシャン戦略」とは?

9/16(月) 17:30配信

アーバン ライフ メトロ

焼き鳥を食べてみたい場所は「焼き鳥専門店」

 子どもから大人まで広く親しまれる焼き鳥。かつては、煙がモクモクと漂う赤提灯や専門店で食べるのが一般的な食べ物でした。

【写真】焼き鳥だけじゃない! 「やきとり家すみれ」が提供するさまざまなメニューの数々

 それが今や、コンビニやスーパーで売られるだけでなく、地鶏を使った高級店、チェーン店、個人経営の赤提灯、持ち帰り専門店など業態が多様化。今や「国民食」と言える存在です。

 ホットペッパーグルメ外食総研の調査(2018年6月)によると、過去1年間に焼き鳥を食べたり購入したりした場所について、最多は「居酒屋」で42.7%。次がスーパーマーケットで39.7%、焼き鳥専門店が34.9%と続きます。他方、今後どのような場所で焼き鳥を食べたり購入してみたいかとの質問には、「焼き鳥専門店」が最多で55.5%でした。

 焼き鳥を食べてみたい場所を「焼き鳥専門店」と回答した人が半数以上に上ることについて、リクルートライフスタイルの稲垣さんは「コンビニでもそこそこおいしい焼き鳥が買えるようになり、外食ならそれ以上においしいところで食べたいと思う人が増えたためではないか」と分析します。

 焼き鳥チェーン店で350店舗を展開し、売り上げトップの「鳥貴族」は、1985(昭和60)年に1号店をオープンしました。現在、700店舗を展開する「やきとり大吉」の1号店オープンは1978(昭和53)年。これらと比べると若いチェーン店で、2009(平成21)年に開業、10年で100店舗と急成長を遂げている店に「やきとり家すみれ」があります。

 今や群雄割拠の焼き鳥市場。そこに新規参入した「やきとり家すみれ」が、どのような独自性をもって成長を遂げていったのか、すみれ(渋谷区猿楽町)代表取締役社長の湯澤忠則さんに話を聞きました。

空白地帯がコンビニと赤提灯の間にあった

 湯澤さんが狙ったのは、「ブルーオーシャン」。ブルーオーシャンとは、新しい商品やサービスを開発・投入することで創出される、競合のいない市場空間です。湯澤さんは焼き鳥市場のどこに「最大のブルーオーシャン」を見出だしたのでしょうか。

「私が焼き鳥に目を向けたとき、既に2000億円規模の安定した市場でした。しかしまだ職人が炭火で焼く赤提灯のような店が多く、おじさんの酒呑みのアテ(つまみ)といったイメージが強くありました。焼き鳥は、主食やハレの日の外食になりづらいものですから、売り手側の業態がどうしても偏ってしまいます。

 その一方、家では作れないものなので、コンビニやスーパー、駅ナカなどでのテイクアウトはすごく売れていて。赤提灯とテイクアウトの間、家族連れや女性、若者たちが焼き立てのちゃんとした焼き鳥を気軽に食べに行ける専門店が空白地帯であることに気がつきました。そこが最大のブルーオーシャンでした」(湯澤さん)

 むろん、当時すでに手頃な価格帯のチェーン店が存在していました。その差別化について、「やきとり家すみれ」は家族や若者といった客層ターゲットありきのメニュー展開で付加価値を訴求したことを挙げます。

 付加価値訴求型といっても、「鶏バルのようにしたくなかった」と湯澤さん。店の柱はあくまで本格的焼き鳥で、さまざまな部位の串を提供することは、ターゲットに対する空白地帯のひとつでした。

 その上で、飽きがこないように「アボカド焼き」のような鶏以外の串や、趣向の異なる鶏料理のサイドメニューを充実させていくことで、「酒のアテだけでなく、食事に使える焼き鳥店という、今までにない部分を補完する業態になっていきました」と話します。

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最終更新:9/16(月) 19:54
アーバン ライフ メトロ

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