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V争い無縁の33位…渋野日向子のスマイル・シンデレラの魔法は解けてしまったのか?

9/16(月) 6:01配信

THE PAGE

 スマイル・シンデレラの魔法は解けてしまったのだろうか。国内女子ゴルフの今季メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」でメジャー2連勝を目指した渋野日向子(RSK山陽放送)は、優勝争いとは無縁の33位に終わった。第1ラウンド(R)は2アンダーの70。6月の「ニチレイレディス」第1Rから始まった国内ツアーでのオーバーパーなしラウンドを「29」に伸ばし、2013年にアン・ソンジュが作った記録を更新した。

 しかし、翌日の第2Rは3オーバーの75。「サントリーレディス」最終Rに78を打って以来、89日ぶりのオーバーパーで記録は止まった。第1R終了後は「並んだからには新記録をつくりたいと思っていた。名前が残るのはうれしい。正直、きょうはそのことばかりを考えていた」と素直に喜んでいたが、その翌日は「気が抜けないように気をつけていたけど…」と反省。その一方で、「記録が途切れて肩の荷が下りた気持ちもある。これで明日から思い切っていける。ピンを狙っていく自分のゴルフをやっていきたい」とも話していた。

 だが、42位で進んだ決勝Rの2日間も精彩を欠いた。第3Rはイーブンパーの72で最終Rは70。兵庫・チェリーヒルズGCに詰めかけた今季最多となる4日間で計3万5719人の大ギャラリーを最後まで沸かせることはできなかった。8月の「AIG全英女子オープン」を制し、日本選手では男女を通じて42年ぶりの海外メジャーチャンピオンとなった渋野を苦しめたのは長いところで30センチほどもあった深いラフ。渋野は経験不足を素直に認めた。

 「ゴルフをやってきて今までで一番深いラフだったかもしれない。ショットもアプローチもラフにいったら大体ボギーになる。特にグリーン周りの長いラフは対応できなくて、スコアがポンコツになる。勉強になったというより、課題が見つかったという感じです」

 同じ1998年度生まれの黄金世代で米ツアーから一時帰国し、通算18アンダーで優勝した畑岡奈紗(森ビル)とは17打差の通算1アンダー。世界的には無名の20歳が全英を制し、現地メディアにスマイル・シンデレラと称されたニューヒロインの勢いも小休止の感がある。

 今大会のコースセッティングを担当した大先輩プロの岡本綾子も「心も体もいっぱいいっぱいの状態じゃないかな」と疲れからくるスイングバランスの悪さを指摘。
全英から帰国後はコースの内外ともに常に注目される存在となり、渋野自身も「顔バレするし、プライベートはなくなったかな。ひっそり生きていきたかったのに」とジョーク混じりに戸惑いの本音を漏らしたこともあった。

 大きなモチベーションとなっていたオーバーパーなしラウンドが止まったことで、最も心配されるのが気持ちが切れてしまうことだろう。しかし、周囲が心配するほど、この20歳はヤワではない。今大会は“カヤの外”とはいえ予選Rはしっかり突破。「注目されることのプレッシャーはない。笑いたいときに笑うし、自分は自分」と言い切る強さを持ち、明るくおしゃべり好きという性格もストレスをため込まないという点では二重丸だ。

 今大会はラフに悩まされたが、技術が未熟な部分は伸びしろ。指導する青木翔コーチも「シブコはまだまだ下手くそ。やることはたくさんある」と話す。さらに元陸上競技選手の両親から受け継いだ身体能力の高さと丈夫な体。渋野のようにツアーフル参戦1年目の選手は、長丁場のシーズンを戦う中で知らず知らずに体力を削り取られていく傾向が多い。夏バテによる秋以降の成績低下は過去多くの若手が経験しているが、そういう選手たちとは、一線を画する骨太のアスリート体型。今週の「デサントレディース」から再び上昇モードに転じる可能性は十分にある。
 年間&生涯の獲得賞金の1億円突破まであと約800万円。
「まだまだです、なんて言っていると遅くなる。やっぱり早く突破したい」。1億円の先にあるのは賞金女王の座。気持ちは常に前向き。このポジティブさがある限り魔法はまだまだ解けない。

最終更新:9/16(月) 6:45
THE PAGE

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