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野菜の価格が将来、下がるかも!? 「自動収穫」で農業を変える

9/16(月) 23:50配信

テレ東プラス

シリーズ特集「イノベンチャーズ列伝」では、社会にイノベーションを生み出そうとするベンチャー企業に焦点をあてる。「テレ東プラス」では、気になる第21回の放送をピックアップ。


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有明海に面した、佐賀県南部の太良町。山の上に並ぶビニールハウスの一角で、8月、農業を大きく変えるかもしれない実験が「最終段階」を迎えていた。

取材班の目にまず飛び込んだのは、ハウスへ入っていく小さな機械。本体は人の背丈の半分以下だが、クレーンのようなアームが付いている。タイヤの代わりに、ブルドーザーのようなクローラーで移動している。誰も操作しておらず、自動で動いているようだ。

ハウスの入り口をくぐると、機械は生い茂る「林」へと分け入っていく。ここで育てられているのはアスパラガス。大きく育ったものの間に、売り物となる短い「芽」の部分が生えている。ふと、機械が移動をやめてアームが動き出した。その先端は何かをつかむ形になっており、パカッと開いた状態で、「芽」へとまっしぐらに向かっていく。

「ウイーン、サクッ」。アームの先端はアスパラの根元をつかみ、そのままきれいに切り取った。機械の前に付いているカゴにゆっくり入れると、また次の“獲物“へと動きだした。

これは世界でもまだ珍しい、野菜の「自動収穫ロボット」。コメやトウモロコシ、ジャガイモのように均一に育つものと違い、個体ごとに育ち方がバラバラで「選んで収穫」しなければならない野菜を、人の手を介さず収穫できるという。

このロボットの実験に協力する農業法人「A-noker」の安東浩太郎さんは、「100%とはいかなくても、50%以上でも自動で収穫してくれたらすごく助かる」と話す。それだけ人の手で収穫する作業は大変で、生産者たちの足かせとなってきたのだ。

例えば地面に生えるアスパラは、かがんだ体勢で1本1本収穫しなければならず、生産者にとっては重労働。短すぎても、育ちすぎても商品にならず、適度に育ったものだけを収穫する必要があるため、人間がやるしか手段がなかった。しかも、アスパラの場合は「芽」だけに生長が早く、1日2回も収穫しなければならない。人手不足の中、生産規模の拡大は容易ではなく、生産者が高齢化すると継続すら難しくなる。「自動で選んで収穫する」ロボットは、そうした野菜生産の問題を根本から解決しようとしているのだ。

では、このロボットはどうやって、「収穫するべき対象」を見分け、それだけを刈り取ることができるのか。

秘密は「カメラ」と「赤外線センサー」、そして「AI(人工知能)」にある。カメラが撮影した「画像」と、赤外線センサーによって分かる「距離」の情報などをAIが分析することで、「映っているものがアスパラかどうか」「そのアスパラはどれだけ長いか(十分に育っているか)」「そのアスパラに到達するするにはどうアームを動かせばよいか」を判断できる。これを、移動しながら瞬時に行うのだ。

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最終更新:9/16(月) 23:50
テレ東プラス

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