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[寄稿]東アジア秩序の崩壊

9/16(月) 17:51配信

ハンギョレ新聞

 米国は太平洋の強大国としての地位を失いつつある。米国がこの地域に巨大な軍事力を持っていると言えども、米国が思い通りの結果を得られると考えることはできない。良くも悪くも、東アジアにて第二次世界大戦以後の秩序は終わろうとしている。

 中国は東アジアで支配的な経済主体になり、それに見合った軍事力を確保している。日本は独自の軍事力を育てるために平和憲法の制約を破ってきた。韓国は最近、米国が三カ国の協力の礎石として韓国と日本に求めてきた韓日軍事情報保護協定を延長しなかった。

 オバマ政権は、米国を東アジアの経済・安保に再介入させるために「太平洋への回帰」を大々的に試みたが、「回帰」は起きなかった。むしろ、米軍はより大きくなった中東紛争に巻き込まれ、トランプ政権は東アジアとの環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)から脱退した。ドナルド・トランプはさらに、東アジアで三つの主要な目標を追求して戦後秩序の終決を急いだ。

 まず彼は、市場へのアクセスなど、中国が米国の要求に応じるようにしようと、貿易戦争を始めた。しかし、中国は退かなかった。トランプの二番目の目標は、同盟国の米軍駐留経費の引き上げである。今年始め、防衛費分担金交渉で韓国は去年より約8%多く負担することになった。トランプは日本にも、在日米軍駐留経費の引き上げと高価な米国製武器の大量購買を要求している。三番目にトランプは、北朝鮮との「ディール」を望んでいる。しかし、そんな合意は、より大きな東アジアの目標には繋がらない。トランプは、単に前任者ができなかった何かを達成できる、ということを見せたいだけである。

 米国は自らを東アジアの安定者として描いてきた。米国は日本が大規模な軍事力を持つことができないように制限してきた。また韓日間で領土・歴史紛争が解決されていないにも関わらず、両国の政策を一つに調整しようとした。米軍の東アジア配置は、また別のヘゲモニーの浮上を防ぐためのものだった。

 しかし米軍がこの地域にいても、これ以上の目標を達成することはできない。全面的な軍拡競争が起きているのが一例だ。世界最高水準の軍隊を構築しようとする習近平中国国家主席は、今年の国防予算を7.5%引き上げた。韓国も進歩的な文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政権下で、2019年の国防予算を2008年以後で最大の増加幅である8.2%増やし、2020~2024年には年平均7%以上の増額を計画している。日本は安倍晋三首相の下での軍事費支出が2013年以後13%増加した。日本は1機1億3千万ドルを超えるF35B戦闘機6機など、米国製武器の購入に途方もない金を撒いている。

 米国が第二次世界大戦後に構築した東アジア秩序は、平和ではなかったのが事実である。それは、朝鮮戦争とベトナム戦争という二つの戦争の上に立てられた。また、駐留地の一帯に暴力を増加させた数百カ所の軍事基地に依存した。

 しかし東アジア秩序は、明白な欠点があっても、ナショナリズムの過剰を防ぐ役目を果たした。東アジア地域内の米国の影響力に対する警告音は、ナショナリズムの復活と重なる。日本が最も明白な事例だ。日本が戦争の際に犯した行動について、かつては極端主義として受けとめられていた見解が、安倍晋三のために今は主流となった。中国も習近平の下でさらに明確なナショナリズム国家になった。韓国のナショナリズムは主に統一プロジェクトに含まれている。文大統領が先月、「南北平和経済で日本を一気に飛び越えることができる」と言い切ったのが一例だ。トランプの「米国優先主義」政策はこれら中で最も明確にナショナリズム的である。トランプのアプローチは、東アジアのナショナリズムに火をつけて軍拡競争を加速化した。

 アジアでの米国の影響力の縮小は、欧州のように地域内の平和・協力機構を強化させる結果に繋がることにもなり得た。しかし、東アジア秩序の崩壊は、反対に競争と対立を膨らませた。米国の近視眼的政策のために、東アジアは極めて不幸な歴史を繰り返そうとしている。

ジョン・フェッファー米国外交政策フォーカス所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/16(月) 17:51
ハンギョレ新聞

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