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世代間ギャップの一因は学校にあった?社会人が先生に「日本総先生化計画」が進行中

9/16(月) 16:15配信

まいどなニュース

 「これだから『ゆとり』は」「昭和世代は非効率的すぎる」。いつの時代にも、どこの会社・組織でも、国が変わっても人々を悩ませる「世代間ギャップ」。無くすことはできないにしても、せめてギャップを理解する一つの端緒に、普段学校の先生と親ぐらいしか「大人」との接点がない子どもたちに、サラリーマンら一般の社会人が定期的に授業をする「日本総先生化計画」が進行中という。口コミながら、今年1月の立ち上げ以降、参加者数は中高生や現役教員も含め約370人に。その仕掛け人を訪ねた。

【写真】こちらが仕掛け人の小澤悠さん

 その人は、西宮市出身の小澤悠さん(29)。現在は大手商社の労働組合専従として働き方改革に取り組むが、多くの企業にヒアリングをした結果、見えてきた大きな課題の一つが、企業内の人間関係だったという。

 「日本の企業は特に年齢に基づいた上下関係が厳しい。リスペクトならいいけれど、実際は忖度になっている場合が大半です。一方、若手はそういう年上や制度が嫌い。何が原因か突き詰めていくと、やはり原点は日本の学校システムだと思ったんです」

 オランダなど諸外国では飛び級や留年が制度化されている国もあるが、日本は義務教育の間は年齢で区別され、高校ぐらいまでの間で親と学校、習い事の先生以外の大人と接する機会はほとんどない。周囲の大人の「生の」仕事を目にする機会も、中学校の職業体験程度で、ましてや仕事に絡んで大人と子どもが本気の議論をすることなど皆無に近い。

 「例えば、今学校ではお金の授業はタブーになっている。でも、実際の社会はお金で回っていて、大半の人がお金を稼ぐために辛いことも我慢しながら、知恵を絞り、折衝をして働いている。その姿を伝えなければ、『大人』が魅力的に映る訳もないんです」

 結果、子どもたちが目にするのは毎日疲れ果てた顔で電車に乗るサラリーマンたち。そのサラリーマンも自分の仕事を会社関係以外の人から認められる機会はほとんどなく、一番言いやすい部下や新人社員にマウンティングして、自尊心を保つ―という悪循環が生まれることも少なくない。

 そして、最も問題と感じるのは「子どもたちの自己肯定感の低さ」だという。小澤さんは年に数回、高校で講演するが、「幼い頃から成績やスポーツでランク分けされ続けていると、自己肯定感がめちゃくちゃ低くなる。でも、実際に社会に出たら、必ずしも仕事の能力に学歴は比例しないし、中卒、高卒で社会を支えている人は山のようにいる。何かに挑戦する大人のカッコいい姿を知れば、もっと夢が持てるのでは」と、「日本総先生化計画」に行き着いた。

 1月にプロジェクトを立ち上げ各地で講演するほか、第一弾として2020年1~3月に社会人1000人を学校に派遣することを目指し、9月には「リーマン、母校に帰る」としたクラウドファンディングをスタート。プロジェクトメンバーには会社員や官公庁の職員、中高生のほか、現役の教員も名を連ね、「小中学校の教員になるには大学などの専門学科に進むしかなく、教員が同質化してしまっている」として、現在の教員免許制度自体に疑問を投げかける教員もいるという。

 9月21日には虎ノ門ヒルズでキックオフイベントを開催。「『先生』と『教員』の垣根をなくし、教育現場に当たり前に社会人を送り込む流れを作りたい」と力を込める。

(まいどなニュース・広畑 千春)

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最終更新:9/16(月) 21:31
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