ここから本文です

ドラギ総裁の緩和パッケージ、欧州の日本化阻止には力不足か

9/16(月) 16:42配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が12日に打ち出した金融緩和パッケージは、それだけでは低成長と低インフレの長期化を阻止するのに不十分だ。

マイナス金利と量的緩和(QE)を中銀が採用しても、長期的な低成長・低インフレから抜け出せない。そういった状況にある日本のアナリストらが、欧州についても同様にみている。生産性の伸び悩みなど金融政策では左右できない部分に根本的な問題がある限り、ユーロ圏は日本化を避けられないというのが彼らの見方だ。

IHSマークイットの田口はるみ主席エコノミストは構造問題について、「日本がこの20-30年間苦労してきたことだ」とした上で、「欧州もいろいろな構造問題を抱えている。(ECBの決定は)短期的な対処にはなると思うが、デフレにいったん陥ってしまうと脱しにくくなるということは確かなことなので、時間稼ぎをすることは必要だと思うが、それを進めないためにどれだけ構造問題に対応できるのかというところが大切」と語った。

10月末で終了するドラギ総裁の8年間の任期は、マイナス金利と銀行への長期資金供給、QEといった思い切った措置に特徴付けられる。日本銀行は2001年にQEを開始し、黒田東彦総裁の13年の就任以降、上場投資信託(ETF)購入やイールドカーブコントロールなど政策の幅を広げた。両中銀に共通する行動および課題は以下の通り。

ローフレーション

ドラギ総裁は14年にマイナス金利を導入、15年にQEを開始した。日銀は16年に政策金利をマイナスにした。ユーロ圏も日本もデフレを免れたものの、記録的な金融緩和にもかかわらずインフレの勢いは強まっていない。

為替レート

インフレの勢いが強まらない理由の一つは、長期にわたる緩和が必ずしも自国通貨安につながらないためかもしれない。ユーロはマイナス金利導入後に対ドルで下落し、QE開始観測の中で値下がりが続いたものの、15年1月にQEが発表されると間もなく底を打った。円もマイナス金利導入後、一時的に下落したがすぐに反発した。

1/2ページ

最終更新:9/16(月) 16:42
Bloomberg

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事