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元逆鉾急死…鶴竜の移籍先がすんなり決まらない事情

9/17(火) 16:34配信

東スポWeb

 大相撲秋場所のさなか、角界に衝撃が走った。元関脇逆鉾の井筒親方(本名福薗好昭=ふくぞの・よしあき)が16日、都内の病院で死去した。58歳だった。最近は膵臓を患っており、8月から入院。日本相撲協会の巡業部副部長などを務めていたが、秋場所は体調を崩して初日から休場していた。井筒部屋には横綱鶴竜(34)ら3人の力士が所属しており、今後は他の部屋に転籍する必要がある。現役横綱の移籍は極めて異例の事態だ。

 現役時代の井筒親方は「逆鉾」のしこ名で活躍。弟の元関脇寺尾(56=錣山親方)、兄の元十両鶴嶺山とともに「井筒3兄弟」と呼ばれた。1978年初場所初土俵。父の先代井筒親方(元関脇鶴ヶ嶺)譲りのもろ差しからの速攻で活躍した。その鮮やかな巻き替えは天下一品。巻き替えからもろ差しへの連係は「名人芸」と言われたほどだった。幕内優勝こそなかったが、87年九州場所から89年春場所まで9場所連続で関脇を務めた。三賞は殊勲賞を5回、技能賞を4回受賞した。

 現役引退後に井筒部屋を継承し、師匠としてモンゴル出身の鶴竜を横綱にまで育て上げた。相撲協会では審判部や巡業部の副部長など要職を歴任。元人気力士の本場所期間中の死去に、角界は大きな衝撃を受けている。八角理事長(56=元横綱北勝海)は「残念だ。同じ時代に相撲を取ってきた。若過ぎる。理事会でも、モンゴル出身力士の育成をきちんとしなければいけないと発言されていた。鶴竜を横綱に育てられたことを含めて功績は大きい」と早すぎる死を惜しんだ。

 現在、井筒部屋には鶴竜ら3人の力士が所属。師匠が不在になったため、今後は別の部屋に移籍する必要がある。最近では元貴乃花親方(47=花田光司氏)が昨年9月の秋場所後に退職し、関脇貴景勝(23)ら弟子たちが千賀ノ浦部屋に転籍した例がある。そんな中で、鶴竜らの移籍先として有力視されるのは錣山部屋だ。

 師匠の錣山親方は井筒親方の実弟で、鶴竜の兄弟子でもある。現役引退後は井筒部屋の部屋付き親方を経て独立した経緯があるだけに、最も自然な移籍先だ。ただし、錣山部屋は2017年12月に意見対立などを理由に時津風一門を離脱。無所属の時期を経て、昨年に二所ノ関一門へ加入した。通常なら部屋間の移籍は同じ一門内で行われる。現時点で井筒部屋から錣山部屋への移籍がすんなりと実現するかは不透明だ。

 いずれにせよ、現役横綱の部屋移籍は異例の事態と言えるだろう。その鶴竜は7月の名古屋場所で7場所ぶり6度目の優勝を達成。2連覇に挑んだ秋場所は左ヒザの故障で8日目の15日から休場している。16日夜には師匠の容体急変の知らせを受けて、都内の病院に駆けつけたという。

 鶴竜にとって、井筒親方は入門先が見つからない中で弟子として受け入れてくれた恩人でもある。その師匠も鶴竜が01年に入門した時から息子と同じように愛情を注ぎ続けた。鶴竜は天国へと旅立った師匠にどんな思いを抱いているのか。そして、今後の移籍先は…。横綱の動向にも注目が集まる。

最終更新:9/17(火) 16:38
東スポWeb

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