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精神障害者自立へ「ピアサポーター」 当事者経験生かし、寄り添う支援

9/17(火) 17:50配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 精神障害を患った当事者が経験を生かし、長期入院患者の退院支援や社会復帰に寄り添う「ピアサポーター」を養成、雇用する取り組みが静岡県内で広がりつつある。島田市のNPO法人では、県の研修を受けた6人が2018年からスタッフとして活躍中。ことし7月には沼津市内でも2人が採用された。受講生たちは「自分のつらい体験が誰かのために役に立つ」と、前向きに業務に励んでいる。

 「こんにちは! 調子はどう?」「いいよ」-。7月下旬、島田市内の男性を訪ねたのは同市島のNPO法人こころで働く久保田夏子さん(47)と中島和也さん(23)。幻覚などの症状で藤枝市内の病院に長期入院していた男性を専門職のスタッフと支援し、ことし1月に退院が実現した。2人は男性の引っ越し準備や買い物などに同行。自立した生活を送れるよう、退院後もサポートしている。

 久保田さん、中島さんを含む6人は17年度にピアサポーターの役割などを学ぶ養成研修を経て同NPOに採用され、それぞれ週10~30時間の勤務をこなす。経歴はさまざま。中島さんは強迫性障害による入院経験があり、就職活動でも挫折を味わった。同法人が運営する就労継続支援B型事業所を利用する中でピアサポーターの存在を知り、養成研修に挑戦。「対象者がつらい時、自分なりに気持ちが分かる」と業務のやりがいを語る。

 18年に県が実施した養成研修は23人が受講し、このうち2人が公益財団法人復康会(沼津市)が運営する相談支援事業所で業務を開始した。県東部保健所の担当者は「研修をきっかけに、当事者間でもピアサポートの認知度が高まりつつある」話す。

 島田市の6人はスタッフ通信を発行するなど、ピアサポーターの活動を積極的に発信。民生委員や福祉団体の会合に講師として招かれ、体験を語る機会も増えてきた。NPO法人こころの菅原小夜子理事長は「障害を強みとして、自分らしく生きる姿を広く伝えてほしい」と活躍に期待を寄せる。



 <メモ>精神障害者のピアサポート活動 県は精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業の一つにピアサポートの活用を位置付け。ピアサポーター養成研修は、当事者同士の交流(仲間活動)や体験発表といった社会活動に加え、支援スタッフとしての役割を担うことも視野に、2017年度に志太榛原圏域、18年度に駿東田方圏域でモデル的に実施した。本年度は県全体での統一カリキュラム策定に取り組んでいて、ピアサポーターの普及や活動の場の拡大を目指している。

静岡新聞社

最終更新:9/17(火) 17:50
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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