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甘い思い出のLPレコード、苦しい時代の通帳…私がお別れできない「宝物」たち

9/17(火) 12:00配信

婦人公論.jp

派手なドレスにLPレコード、使い終わったチケットまで――他人からは不用品だと思われても、手放せないモノには、人それぞれの事情が潜んでいます。皆さんの「宝物」を聞きました。(構成=おかきプラス)

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◆肥えた錦鯉と呼ばれても

大学時代に台湾で買い、卒業謝恩会で一度だけ着た総スパンコールのチャイナドレスを手放せません。今の体形では、無理して着たところで「肥えた錦鯉」にしか見えないとわかっているけど。これから社会に出るぞと意気込み、一世一代のコスプレ(?)をした一夜が忘れられないのです。

娘が結婚式の2次会ででも着てくれたら捨てる決心もつくと思いますが、いつになるやら。
(54歳・福祉職)

◆家族で過ごした夏の記念に

夫は単身赴任が長く、親子揃って暮らせたのは子どもたちが小さかった7年間ほど。その間にせっせと通った遊園地の「流れるプール」のパスポート二十数枚は、今でもすべてとってあります。1枚7500円で夏中使えてお得なうえに、顔写真まで貼ってあるから。

残業の多い夫にとって、休日の家族サービスは大変だったはず。私も育児疲れで、休みの日くらい楽をしたかったのです。その点、流れるプールは泳ぐというより流れに身を任せるだけで、親にとっては快適、子どもたちも大満足。イモ洗いのように混んでいたけど、浮き輪をつけてぷかぷか流され、疲れたらプールサイドの日陰でゴロ寝して、休日をゆる~く楽しみました。

大いびきをかいて眠ってしまった夫、その横ではしゃぐ可愛い盛りの子どもたち。毎夏、笑って過ごした家族のかけがえのない時間が、ぎっしり詰まっています。
(49歳・パート)

◆いつのまにか5柱も……

家族が亡くなるたび、位牌が増えていきます。気がつけば、夫方のものが5柱もありました! まさかゴミにも出せないし、個人ではどうにもできない。菩提寺とのつき合いも途絶えていたから、供養してくれるお坊さんを探すのもひと苦労でした。

最終的には十数万円ほどかけて、戒名を記した札板を複数収められて、マンション用の仏壇に入る「繰り出し位牌」1つにまとめましたけどね。
(52歳・フリーライター)

◆日陰の道具もいつか役立つ

もともと僕は「モノから入るタイプ」で、お気に入りの道具が並んでいるのを見る満足感は格別だ。たとえばわが家の物置には、いつか行こうと買い揃えたものの、一度も使ったことのないキャンプ用品がぎっしり。家族用テント、バーベキューコンロ、防水シート、固形燃料などなど、何でも揃っている。

子どもたちが巣立ち、RV車を手放してからは、妻に「役に立たないから捨てて」と文句を言われ続けた。

でも、東日本大震災でインフラが断絶した折に、はじめてキャンプ道具が大活躍!「この時のためにとっておいたんだ」とドヤ顔で自慢したが、内心、負い目が減ってホッとした。
(61歳・会社員)

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最終更新:9/17(火) 12:03
婦人公論.jp

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