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日本は主権国家といえるのか? 米軍優位の日米地位協定・日米合同委員会と横田空域(13) 横田空域は「空の米軍基地」 (吉田敏浩)

9/17(火) 11:41配信

アジアプレス・ネットワーク

◆騒音被害や事故の危険にさらされる住民

日米合同委員会の「航空管制委任密約」により、米軍は横田空域を「空の壁」で広範囲に囲い込んでいる。

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民間機をほぼ締め出したその広大な空域を、米軍はC130輸送機やオスプレイなどの低空飛行訓練、パラシュート降下訓練、基地への大型輸送機や空中給油機の出入りなどに利用している。

基地周辺や訓練飛行ルート下の住民に対して、騒音被害と、墜落や部品落下の事故の危険をもたらしている。

軍事空域である横田空域は、いわば「空の米軍基地」といえる。

横田基地は東京都西部の福生市、羽村市、瑞穂町、武蔵村山市、立川市、昭島市にまたがっており、総面積は約7・14平方キロ(東京ドーム約150個相当)の広さがある。

3350メートルの滑走路があり、米空軍の第374空輸航空団という部隊が配属されている。

アメリカ本土、ハワイ、グアム、日本、韓国などにある米軍基地の間を、兵員や物資を乗せて行き来する大型輸送機(C5やC17など)や大型空中給油機(KC135)などの中継拠点だ。

すなわちアジア・西太平洋地域での軍事空輸のハブ基地である。

横田基地には14機のC130輸送機が配備されている。
最新型のC130Jで、全長約35メートル、全幅約40メートル、全高約12メートルのプロペラ機だ。

最大速度は時速約660キロ、行動半径は最大積載時で約3147キロである。
パイロットなどの乗員は3名、輸送できる兵員は128名である。

このC130輸送機は基地周辺だけでなく、東京、埼玉、群馬、栃木、茨城、長野、山梨、静岡、神奈川の1都8県にまたがる広大な地域の上空に、飛行訓練のエリアすなわち訓練空域を勝手に設定して、低空飛行訓練や編隊飛行訓練をしている。

この関東・中部地方にかけての飛行訓練エリアを、米軍は「横田空軍基地有視界飛行訓練エリア」と名づけている。
                           
横田基地の状況に詳しい市民団体「横田基地の撤去を求める西多摩の会」代表の高橋美枝子さんによると、最近は、C130輸送機からの特殊作戦部隊などのパラシュート降下訓練が激化している。

横田基地でのパラシュート降下訓練は2012年1月から始まった。

アラスカ州に本拠をおく陸軍の空挺部隊、沖縄の米陸軍トリイステーション基地(読谷村)の特殊作戦部隊(グリーンベレー)、海兵隊の偵察部隊などによる、数百人規模のパラシュート降下訓練が、夜間もふくめて、毎年おこなわれている。

多いときは4日間で延べ200人が降下し、高度3000メートル以上から降りる場合もある。             (つづく)

*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年

最終更新:10/10(木) 17:32
アジアプレス・ネットワーク

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