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全盲で美術館を楽しむ白鳥さん。「見えないから大変」の言葉がしっくりこない

9/17(火) 12:11配信

ハフポスト日本版

目が見えない人は大変だから、助けてあげなくては…。
そんな風に思っている人も多いのではないでしょうか。

年に何十回も美術館に通い、アートを楽しむ白鳥建二さんは、10歳になる頃には完全に視力を失いました。
白鳥さんは「視覚障害者は苦労する」という考えに違和感があるといいます。

そんな白鳥さんに、ノンフィクション作家の川内有緒さんがインタビュー。
美術鑑賞を楽しむに至るまでの経緯をハフポスト日本版に寄稿した。
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全盲にもかかわらず、年に何十回も美術館に通う人がいる。白鳥建二さん、50歳。

「生まれつき弱視で、10歳になる頃には完全に視力を失いました。小さい頃もほとんど見えていなかったので、絵本や漫画を見た記憶はありません。『色』は、概念的に理解しているだけ」
そう語る白鳥さんが美術館を訪れる理由は、「楽しいから」。好んでよく見るジャンルは、「難しい」とも評される現代美術である。

対話によって作品を「見る」

私が白鳥さんの存在を知ったのは、半年ほど前のことだ。美術館に勤める友人が発した、「白鳥さんと展示を見ると楽しいよ」という言葉につられ、一緒にフィリップス・コレクション展(三菱一号館美術館)に出かけた。

目が見えない人が、どうやって作品を見るのだろう?

そんな疑問の答えとして最初に思いつくことは、もちろん作品に触ることだが、多くの美術作品には触ることはできないはずだ。

蓋を開けてみると、白鳥さんは、晴眼者、つまり「見える人」との対話を通じて、作品を見るのだという。

こう聞くと、なるほど、晴眼者に助けてもらうのか、と感じる人もいるかもしれない(私もそのひとりだった)。しかし、そこには「助ける」「助けられる」という関係で完結しない面白みがあるのだ。

というわけで、美術鑑賞と出会って「人生が変わった」という白鳥建二さんの半生を追いながら、アートから生まれる豊かなコミュニケーションについて考えてみたい。

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最終更新:9/17(火) 12:11
ハフポスト日本版

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