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観光以上・定住未満の「多拠点住み放題サービス」を取材した、ANAも参画する「ADDress」の課題は「移動」、MaaSや定額制航空券にも意欲

9/17(火) 14:01配信

トラベルボイス

サブスクリプション型の多拠点コリビングサービスを展開する「ADDress (アドレス)」は2019年8月、新たに宮崎県日南市の油津商店街に九州で7ヶ所目の「拠点」をオープンした。別府(大分県)、新富(宮崎県)、多良木(熊本県)、宇城(熊本県)、屋久島(鹿児島県)、八女(福岡県)に続くもので同社初の買い上げ物件だ。また、京都市伏見区にも関西初となる拠点も立ち上げた。これで全国24拠点に拡大。今年中に50拠点を目指す、このサービスを新拠点のオープニングにあわせて取材してきた。

ADDressは昨年12月に設立。月額4万円(法人は月額8万円)から利用可能な定額制の多拠点居住シェアリングサービスとして、遊休住宅資産を活用しながら、プラットフォーム上で拠点と会員ユーザーとをマッチング。地域と都心部との「人口シェアリング」の実現を目指している。同社代表取締役社長の佐別当隆志氏は、「全国の『拠点』をベースとして関係人口を増やし、地元の人たちと一緒に地域を盛り上げていきたい」と抱負を語る。

各拠点では、空き家や別荘をリノベーションすることで快適な居住空間を用意。個室を確保し、シェアハウスのようにリビング・キッチンなどを共有するほか、月額には光熱費、Wi-Fi、共有の家具やアメニティの利用、共有スペースの清掃も含まれる。会員とはサブリース物件の賃貸借契約を結ぶことで、「観光以上、定住未満」(佐別当氏)の滞在を提供する。また、「拠点」の固定のベッドを賃貸借し、そのベッド所在地で住民票登録をすることも可能。そこを拠点にADDressの物件を渡り歩く「アドレス・ホッパー」の機会も提案している。

世界的に20代を中心に「所有しない」ことに価値を置く潮流が生まれており、日本でも2拠点以上で生活する「デュアラー」人口は約100万人、潜在需要は1100万人ほどあると言われている。一方、日本全国には2000万軒の空き家が存在すると試算されており、その問題は年々深刻化している。ADDressは、ライフスタイルと住宅環境の変化をマッチングさせることで社会的課題を解決。油津商店街の拠点は15年間も空き家だった元果物屋を、伏見の拠点は築60年の元学生寮をリノベーションした。

ADDressでは中長期的な目標として、2030年までに20万件、会員数100万人の目標を掲げる。佐別当氏は「100万人登録になれば、中規模都市と同等の規模になる。そうなれば、新しい働き方や暮らし方のムーブメントが起き、国の政策にも影響を与えることができるのではないか」と将来を見据える。

先行会員の募集と資金調達を目的として今年4月からクラウドファンディングを開始。これまでに約200人の年会員と半年会員が集まったという。一方、クラウドファンディング会員とは別に、これまでに約2000人の入居エントリーが集まっていることから、今年10月には正式に会員による予約サービスを開始する予定だ。

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最終更新:9/17(火) 14:01
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