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聞こえない絶望から救った安室さんの歌 聴覚障がいの女性、花火ショーを全身で体感

9/17(火) 5:30配信

沖縄タイムス

 沖縄県出身の元歌手・安室奈美恵さんの楽曲を使った花火ショー「WE ♥ NAMIE HANABI SHOW supported by セブン-イレブン」が16日、宜野湾市内で開かれた。11年前に急性腎不全の合併症で聴力を失った北九州市の太田黒喜久子さん(56)は、聞こえなくなって以来、音楽を楽しめなかったが、「つらい時に支えてくれた大好きな安室さんの音楽を全身で感じたい」と花火ショーを訪れた。

 美容室を営んでいた太田黒さん。開業当時、母と義母、義理の祖母が相次いで倒れ、仕事と介護、3人の子育てに追われていた。

 夜泣きする子どもを抱きながら病院でうたた寝していた時、テレビから聞こえた安室さんの曲「Chase the Chance」の「夢なんて見るモンじゃない 語るモンじゃない 叶えるものだから」という歌詞に励まされた。

 11年前、急性腎不全で意識不明の重体に。一命を取り留めたが、目が覚めると耳が聞こえなかった。

 リハビリで歌うように医師から言われ、ふと口ずさんだのは、「Chase the Chance」。聞こえない絶望感で泣きながら何度も歌った。

 その後、人工内耳で会話が聞き取れるようになり、美容師にも復帰。しかし電気信号で伝える仕組みのため音楽は理解できなかった。安室さんの楽曲に触れる機会もなくなった。

 しかし昨年、引退を機にラストコンサートを鑑賞。思い出の曲たちが頭に流れた。安室さんの音楽がまた身近になり、花火ショーへの来場を決めた。

 16日、会場を訪れた太田黒さんは「安室ちゃんを見ているうちに、私の聞こえない耳に音楽が聞こえてくる。全身で安室ちゃんの音楽を楽しみたい」と笑顔をはじけさせた。

最終更新:9/19(木) 7:16
沖縄タイムス

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