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日米ツアー優勝者に見るアマチュア時代の大事な“勝ち癖” 【佐藤信人の視点】

9/18(水) 6:53配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

前週の男子ゴルフは、日米両ツアーでアマチュア時代に将来を期待された選手が優勝しました。日本ツアー「ANAオープンゴルフトーナメント」は26歳の浅地洋佑選手が今季2勝目、米ツアー「ア・ミリタリー・トリビュート at ザ・グリーンブライアー」では20歳のホアキン・ニーマン選手(チリ)が初優勝を挙げました。

ANAの美女と優勝記念撮影

浅地選手は2008年の「日本ジュニアゴルフ選手権」で優勝し、杉並学院高校(2年生)時代の10年に出場したレギュラーツアー「ダイヤモンドカップ」で9位。高校の2学年上に石川遼選手がいた影響もあり、若い頃から“天才”と称されました。プロ転向翌年の12年に下部チャレンジ(現AbemaTV)ツアーで最年少優勝を果たしました。

レギュラーツアーでは壁にぶつかっていた時期もありましたが、今季「アジアパシフィックオープン選手権ダイヤモンドカップ」で念願の初優勝を挙げ、ひと皮むけた印象があります。18年に同い年の智子さんと入籍し、何かが変わったのかもしれません。プロゴルファーも人間です。実体験に基づき、人生の節目で調子の波が変わることがあるのです。

チリ人初の米ツアー優勝を果たしたニーマン選手は、期待値通りの活躍を見せてくれています。元世界アマチュアランキング1位の実績があり、17―18年シーズンのプロ転向後は米ツアーのノンメンバーながら、フェデックスランキング125位以内に相当する成績を収めてツアーカードを得ました。18年の「ザ・メモリアルトーナメント」では首位発進から優勝争いを繰り広げ、米国内でも話題になりました。

舞台の大きさは違っても前週の試合で2人に共通していた点があります。それは、優勝を争う局面でもプレッシャーを表に出さず、プレーしていた様子です。勝ちそうだな、勝ち慣れているなという印象がありました。

史上最多の5人によるプレーオフの1ホール目で決着をつけた浅地選手。時松隆光選手、ショーン・ノリス選手(南アフリカ)がミスした後に放った第2打の場面でも、普段と変わる様子もなく左1mにつけました。ウィニングパットは決して簡単ではなく、外せばボールが転がっていくようなラインでした。それでも、浅地選手には決めてくるだろうなと思わせる雰囲気がありました。米ツアー最終日のニーマン選手にも同じような感じがありました。

これは“勝ち癖”のようなものだと思います。アマ時代に数々のタイトルを獲った2人だからこそ、勝負どころの落ち着きがあるのだと感じます。プロツアーに出るアマチュアが多くなり、若い選手の技術は今、高くなっています。技術の差が小さくなっている分、勝ち切れる選手と勝ち切れない選手の間には、勝負どころのわずかな差が結果を分けるように思います。

個人的にはジュニアゴルファーはプロツアーの難しいセッティングで「72」(パープレー)を出すよりも、アマチュアの試合のセッティングで「64」などのスコアを出して結果を残す方が、今後に生きることもあると考えています。

レベルが高い場所を目指すのは当然ですが、自分の今いる場所で、目の前の一戦に勝利することも重要です。それがいつか、浅地選手やニーマン選手のような、勝ち癖につながっていくのだと思います。(解説・佐藤信人)

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