ここから本文です

覇権争いの続く米中~日本はいまのままでいいのか

9/18(水) 12:20配信

ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。米中次官級貿易協議が開催されるニュースについて解説した。

米中次官級貿易協議、19日から開催

アメリカと中国の貿易問題について、19日から次官級協議が開催されることになった。10月初めの閣僚協議を前に知的財産権の保護や産業補助金の削減など、中国の構造改革について論点の整理が行われるとみられる。

飯田)アメリカ通商代表部が、ワシントンで次官級の協議を開催すると発表しました。中国政府は財政省の廖岷(リョウ・ビン)次官率いる代表団が18日、アメリカを訪れる予定と発表しています。協議が始まるけれど、デッドロックにぶち当たるということを繰り返していますね。

佐々木)毎回同じニュースを繰り返して、進んでいない感じがします。大きく射程を広げて考えてみると、経済と安全保障が合体しつつあります。アメリカと中国の関係は、経済が単に対立するだけはありません。日本でも1980年代に日米貿易摩擦がありましたが、これはあくまでも経済だけの話であって、日本としてはアメリカの核の傘、安全保障の下に入っていたわけですから、安全保障で対立する場面はありませんでした。しかし、いまの米中は経済で対立するとともに安全保障、太平洋の覇権をどちらが握るか、またEUへの影響力の大きさというところまで踏み込んで対立しています。要するに経済対立ではなく、総動員体制による対立になってしまっています。

世界中が経済力を他国のコントロールのために使う状況となっている

佐々木)最近言われているのは経済安全保障、きょう(18日)の読売と毎日のニュースでも報じています。日本政府が国家安全保障局に経済部署を設置すると。これからは経済と安全保障が一体化するため、それに日本も対応して行かなければならないということです。これは、歴史的に考えると難しい話です。日本と中国はこれまで政治的に対立する場面が多かった。1970年代に田中角栄首相が中国へ行って、国交回復したころはよかったのですが、1990年代に入ると靖国参拝問題に対して中国で反日デモが起きた。2000年代初頭に国家主席だった胡錦涛さんは、「政冷経熱」と言いました。政治的には対立しますが、経済では盛んにやりましょうと。当時は政治と経済が分離していてもいいというのが、中国と日本の共通認識でした。ところが中国は最近何をしているかと言うと、アフリカに橋頭堡を築くために、実際にはお金を貸しているだけですが経済援助をして、橋や道路をつくったりしています。そしてアフリカに対して政治的コントロールを強める。最近だとソロモン諸島が台湾と断交して、中国と国交を結んだ。これは完全に政治的戦略があります。中国の一帯一路戦略は経済だけでなく、政治的な支配力を強めて行くという政治と経済が一体化した戦略です。日本はそれをやって来なかった。よくODAはばらまきだと批判されますが、あくまでも発展途上国を支援するだけであって、政治的にコントロールしようという発想はまったくありませんでした。

飯田)技術を向こうに植え付けるというものでしたからね。

1/2ページ

最終更新:9/18(水) 12:20
ニッポン放送

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事