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現代の医療では西洋薬と漢方を併用するケースが増えている

9/18(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【市販薬との正しい付き合い方】(39)

 漢方薬と西洋薬の違いを簡単に言うと、漢方薬は「伝統医学、独自の診断、複数の成分が混ざった配合剤」であり、西洋薬は「根拠に基づき開発されたもの、科学的(医学的)診断に基づいて使用する、単一の成分のものがほとんど」といった特徴が挙げられます。これらによって、漢方薬には得意分野があることをこれまで説明してきました。

 現代の医療は西洋医学に基づいて行われ、薬物治療は西洋薬が主に用いられています。だからといって、西洋薬か漢方薬のどちらか一方を至上とするのは、議論が極端だと感じています。要は西洋薬、漢方薬を問わず、“おいしいとこ取り”で患者さんが早く良くなるように治療をするのがベストだということです。

 ただ、西洋薬に慣れている現代の医療では、「漢方薬をどのように取り入れるのか」に関しては、慣れている医師でなければ難しいという側面があります。漢方薬が病院ではあまり処方されない原因かもしれません。

 もっとも、こういった在り方も見直されつつあります。「漢方外来」が設置されている大きな病院が増えてきましたし、入院患者の治療に積極的に漢方薬を取り入れている病院もあります。

 たとえば、「術後のイレウス(腸閉塞)に大建中湯という便秘などに用いる漢方薬を使うことで改善効果がみられた」という報告が多々あります。また、抗がん剤で手がしびれる(抗がん剤誘発性末梢神経障害)場合には、牛車腎気丸や芍薬甘草湯が用いられるのは一般的になっています。入院中の食欲不振には補中益気湯が使われるケースも多くみられます。

 このように、治療に付随した症状や副作用への対処には、漢方薬を併用すると、全体的な治療効果が上がることがわかってきています。

 漢方薬は相互作用がないのも特徴のひとつですから、現代の医療においては西洋薬との「併用」が、漢方薬のベストな使い方といえるかもしれません。

(神崎浩孝/医学博士、薬剤師)

最終更新:9/18(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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