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10月から幼児教育・保育無償化スタート 保育施設、大わらわ「準備期間足りない」

9/18(水) 11:35配信

デーリー東北新聞社

 消費税増税分を財源に、10月1日からスタートする幼児教育、保育の無償化。歓迎する保護者とは裏腹に受け入れる側の保育施設では、申請書作成や保護者説明などの対応に追われている。対象年齢やサービスが限定されている他、給食費など保育料以外の費用は無償にならないなど制度が複雑で、現場の事務負担は増加しており、保育施設や自治体の担当者は「政策そのものが不十分。準備期間も足りない」と不満の声が上がっている。

 無償対象は幼稚園や保育所、認定こども園、障害児通園施設を利用する全世帯の3~5歳児の保育料。

 0~2歳児の保育料は住民税非課税世帯以外は基本的に無償にならない。これまで保育料と一緒に徴収されていた給食費や交通費、行事費などは無償化対象外のため保護者の実費負担となる他、認可外保育施設や幼稚園の預かり保育、ベビーシッターなど、認可外サービスの利用料には補助の上限が設けられる。

 国から都道府県に説明があったのは、今年5月末。実務を行う市町村には7月以降で、実質的な準備期間は2~3カ月しかなかった。準備期間中にも制度の変更が相次ぐなど、現場は混乱している状況だ。

 八戸市内の保育施設では、保護者向けに説明会を開催した他、通園していない家庭には市が通知を送付しているが、市内保育施設の園長らは「保護者に十分に理解してもらえているのか、実際に制度が始まってみないとどうなるか分からない」と不安の声が漏れる。

 不安要素は事務負担にとどまらない。市内の複数の保育施設によると、祖父母に預けられる環境でありながら利用を希望したり、保育の利用時間や利用日数を増やしたりする保護者が増えているという。

 市内のある幼稚園の園長は「子どもが家族と過ごす時間が減り、親と子が接する時間が減る可能性がある」と指摘。保育施設の過剰利用により、家庭が一体となった“本来の子育て”から懸け離れてしまうことを危惧する。

 市こども未来課も、保育施設を利用する家庭が想定以上に増えることによる保育士や幼稚園教諭らの業務負担増加、利用枠の不足による待機児童問題の発生を懸念。同課の出河久美子課長は「政策が十分に練られず流動的な中、市としては保護者に理解をいただけるように丁寧な説明をしていきたい」と話す。

 八戸市私立幼稚園協会の田頭初美会長は、幼児教育の質の維持や向上が大前提とした上で、「保護者が子どもと向き合う時間を大切にするための無償化が理想。自分の子どもにとってどんな保育、幼児教育が必要かを見極めてほしい」と呼び掛けている。

デーリー東北新聞社

最終更新:9/18(水) 11:35
デーリー東北新聞社

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