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味噌市場は停滞も即席味噌汁は伸長 調理機会創出が消費拡大のカギ

9/18(水) 20:01配信

日本食糧新聞

包装資材価格や運送費の上昇、人手不足、適正価格での原料確保の問題など、味噌業界を取り巻く環境は厳しさを増している。業績面では、積極的な事業展開で収益を伸ばす大手メーカーと中小零細企業の格差が拡大。商品開発や販売・プロモーション面で差別化を図れない大多数のメーカーが苦境に立つ。業界全体の課題は家庭内での調理機会の創出。一般的な味噌に加え、液状味噌やパウダー味噌、調理味噌などの利用促進が消費拡大の鍵になりそうだ。

大手と中小の格差は拡大

全国47組合848社が加盟する全国味噌工業協同組合連合会によると、2019年上半期(1~6月)の出荷量は19万4984トン(前年比0.5%増)だった。わずかながら前年実績を上回った。出荷量は減少傾向にあるが、即席味噌汁への供給が増えているため、2019年通期では前年並みを維持できそうだ。

上半期の都道府県別出荷量は、長野県が9万8057トン(同1.6%増)、愛知県が1万7784トン(同0.1%増)、群馬県が1万3728トン(同3.1%減)、北海道が1万0736トン(同0.3%増)、大分県が8601トン(同1.1%増)だった。上位5道県の合計は14万8906トン(同0.9%増)で、総出荷量の約76%を占めた。

店頭で販売される味噌の量は減っているが、需要が高まる即席味噌汁向けの供給量が増えたことで全体の出荷数量が伸びた。最需要期となる秋冬は各社がキャンペーンを展開するなどマーケットが活性化する傾向にあり、通年の累計出荷数量はほぼ前年並みで着地すると予想される。

中長期的に“味噌離れ”が進んでいるとの見方もあるが、人口減少社会に突入した日本の現状を考慮すると、むしろ健闘しているともいえそうだ。

ただ、出荷が伸びているのは即席味噌汁をアイテムとして揃える大手メーカーのみ。味噌だけを製造・販売する大多数の企業が苦戦を強いられている。販売データ重視の品揃えで中小メーカーのアイテムや新商品の店頭化が難しいため、今後も大手と中小の格差は拡大すると思われる。

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最終更新:9/18(水) 20:01
日本食糧新聞

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