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アフリカ豚コレラ拡大 韓国で発生確認

9/18(水) 7:07配信

日本農業新聞

 韓国の農水省に当たる韓国農畜産食品部は17日、北朝鮮との軍事境界線に近い京畿道坡州市で、同国で初めてアフリカ豚コレラの発生が確認されたと発表した。発生農場は、観光名所で北朝鮮が一望できる鰲頭山統一展望台に近く、感染拡大が懸念される。

 同部によると、当該農場は、母豚5頭の死亡を受け16日、同部検疫本部に申告。17日にアフリカ豚コレラと確定した。周辺3キロ以内に養豚場がない。発生養豚場の同一経営主の他の養豚場を含め、2農場の3950頭の豚を殺処分する。

 同部は、17日6時30分から48時間、全国の養豚場、食肉処理場、飼料工場、出入り車両などを対象に一時移動を中止する。京畿道では、他の道や市への搬出を一週間禁止し、全国の6300戸の養豚農家に、疑いの有無を調査するとした。

 北朝鮮では5月にアフリカ豚コレラを確認。韓国メディアは、発生地域は、北朝鮮とは10キロ程度離れ、川でつなぎ、鰲頭山統一展望台とも5キロ程度と近いと報じた。ソウルから50キロ程度離れ、韓国と北朝鮮の友好ムードとともに、大勢の観光客が訪れるという。

 農水相に当たる金●秀長官は「各自治体は即時にアフリカ豚コレラ防疫対策状況室を設置・運営し、養豚農家や畜産施設の一斉の消毒、食肉処理場の搬出前の臨床検査などを早急に実施してほしい」と呼び掛けた。畜産農家の集会やイベントの禁止も求めた。

 アジアでのアフリカ豚コレラは2018年8月、中国で初めて発生し、今回の韓国で10の国・地域に広がった。飼養する豚の合計は約5億1300万頭で、世界の豚の53%を占める。

 中国以外は全て、今年1月以降の発生。韓国に隣接する北朝鮮では、5月に感染が見つかっていた。国連食糧農業機関(FAO)によると、中国では117万頭、ベトナムでは470万頭の豚が殺処分になっている。

警戒最大限に 宮崎大学農学部・末吉益雄教授の話

 アフリカ豚コレラが、観光やビジネスなどで日本との人の往来が多い韓国でも発生した。中国やベトナム、日本と同じ島国であるフィリピンなどアジア諸国でも発生している。国内には既にウイルスが侵入しているとの想定で、養豚農場などは最大限の警戒と防疫対策を講じる必要がある。

 国は、検疫探知犬や旅行客への口頭質問などで、ウイルスに汚染されたものが持ち込まれないよう水際対策を進めている。しかし、国際郵便も含めた全ての荷物を確認するのは難しい。今でも大型クルーズ船でアジアからの観光客が大挙して訪れているし、今後はラグビーワールドカップや東京五輪・パラリンピックなどのイベントで、さらに増えると考えられる。

 韓国での発生を“対岸の火事”だと思うと心に隙が生まれる。農家は、関係機関からの指導を面倒がらず、今の手法で本当にウイルスの侵入が防げるのか、基本に立ち返って点検・改善に努めるべきだ。豚に異常があった場合には、関係機関にすぐ通報してほしい。

<メモ> アフリカ豚コレラ

 豚やイノシシが感染する、致死性の高い伝染病。日本で発生している豚コレラとは別のウイルスが原因で、ワクチンや治療法がない。

編注=●は火へんに玄

最終更新:9/18(水) 7:07
日本農業新聞

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