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自宅の権利者である妻が施設に入ってしまった……。 2020年4月施行の「配偶者移住者権」って?

9/18(水) 19:31配信

ファイナンシャルフィールド

改正相続法の中でも注目されている「配偶者居住権」が2020年4月から施行となります。これまで苦楽を共にしてきた妻に生涯の住居を確保するために、遺言することを検討されている方も多いようですが……。その遺言が残された家族に負担を強いることになることも。

なぜ配偶者居住権が必要なのか?

夫が亡くなった後、相続分の関係で自宅を売却し住む場所がなくなったり、自宅を取得したりした場合に、金銭を受け取れず生活が苦しくなるという問題を回避して、夫亡き後の、妻の生活保障を確実にするというのが第1の目的です。

法定相続分は絶対じゃない

実は、遺産は法定相続分の割合で分けることが決まっているわけではありません。遺産分割の方法は、遺言があれば遺言、遺言がなければ相続人の協議により決められます。その際の目安としてあるのが法定相続分です。

ですから、法定相続分と違う割合の遺言や遺産分割協議は有効です。遺産分割協議がまとまらず、裁判所の調停などに進む場合には、法定相続分を基準に話が進められることになります。

ですから、円満に妻の生活が守られるのであれば、配偶者居住権を持ち出す必要はないでしょう。

配偶者居住権が設定された自宅の扱い

配偶者は死亡するまで自宅に住むことができます。(居住権の存続期間を設定することも可)。所有者は、配偶者が死亡するまで居住させるという負担の付いた所有権を取得します。配偶者の死亡により居住権が消滅し、完全な所有権になります。

(1)居住配偶者が施設に入所する場合
配偶者は建物を人に貸したり、居住権を処分したりすることはできません。所有者と合意解除して配偶者居住権の抹消をすれば期間途中でも売却可能ですが、認知症になっていると難しいでしょう。

(2)差押さえ
所有権は差押さえの対象となりますが居住権を差押さえすることができません。所有権を差し押さえても、居住権が消滅する(配偶者の死亡)まで換価することは困難です。

(3)存続期間
存続期間は、別段の定めをする場合以外は終身となります。原則、「別途協議して定める」などとすることはできません。更新や再設定もできません。結果として、配偶者が認知症で施設に入った場合、空き家となった自宅を、配偶者が死亡するまでその状態で管理する可能性が高くなります。

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最終更新:9/18(水) 19:31
ファイナンシャルフィールド

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