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「福島原子力発電所汚染水」処理めぐりIAEAで韓-日が衝突

9/18(水) 8:02配信

ハンギョレ新聞

ムン・ミオク科学技術部次官「世界的に不安感増幅させる」 日本科学技術担当大臣「科学的根拠のない批判を受けている」  日本外務省「トリチウムは自然界にも存在」国際広報を強化 トリチウム以外の物質も基準値以上、昨年検出

 福島第1原発の汚染水の海洋放流の可能性と関連して、韓国と日本の政府が国際原子力機関(IAEA)総会で論戦を行った。韓国政府は汚染水の海洋放流が世界各国に影響を与えかねないとし、国際社会の関心と対応を求めた反面、日本側は汚染水の処理方式を決めてもいないし、関連情報を透明に公開しているとして対抗した。

 韓国科学技術情報通信部のムン・ミオク第1次官は16日午後(現地時間)、オーストリア・ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で開かれた第63回原子力機構定期総会で、基調演説を通じて「(2011年の)原発事故以後、福島原子力発電所の汚染水処理問題は依然として答を見いだせずにいる状況で、世界的に不安感を増幅させている」と話した。ムン次官は「こうした中で日本政府の高位官僚らは、福島原発汚染水の処理方案として海洋放流が避けられないと言及し始めた」として「海洋放流が決定される場合、全地球的な海洋環境に影響を及ぼす恐れがある重大な国際イシューであり、日本国内だけの問題ではない」と指摘した。

 ムン次官はまた「国際原子力機関が福島事故の処理で日本と共に積極的役割を果たしてきたように、福島原発汚染水の処理問題にも同じ処理方式が必要だ」と言及して「日本の原子炉の状態と汚染水の現況などに対する現場調査と環境生態系に対する影響評価など、科学的で客観的な方法で推進しなければならない」と指摘した。ムン次官はそれと共に「最も重要なことは、健康、安全、環境保護のための日本側の実質的で透明な措置と行動」と強調した。

 竹本直一科学技術担当大臣はこの日、ムン次官に先立って行った基調演説で「廃炉・汚染水対策をめぐり科学的根拠に基づかない批判を受けたことがある。日本が透明に公表した情報に基づいて、公正で理性的な議論をすることを要請する」と話したとNHKが伝えた。韓国政府が最近、福島原発の汚染水処理問題を公論化していることに対する不快感を表わした発言だ。

 福島原子力発電所は2011年の放射性物質漏出事故の後、原子力発電所に地下水が入り込み、今も放射能汚染水が絶えず生まれている。数年以内に福島原発敷地内の水タンク保管が限界に達するという展望が出ており、日本政府は汚染水を海に放流する方案を有力に検討している。原田義昭環境相は今月10日、福島原子力発電所の汚染水処理問題に関して「思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」と話し、論議を醸した。

 それでも日本の引原毅ウィーン国際機関政府代表部大使は、ムン次官の基調演説が終わると「水の処理についてはまだいかなる具体的な結論も出していない。日本は国際原子力機関と協力しながら、今後も憂慮に対して答えていく」と主張した。

 一方、日本外務省は16日「福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の現状」と題する英語と日本語で書かれた報道資料を掲載した。ALPSにより浄化された後に残るトリチウム(三重水素)について、英文資料で「自然界にも存在し、水蒸気、雨、海水、水道水のような水からも発見される。健康に及ぼす影響は極めて少ない」と書いた。福島原子力発電所の運営企業である東京電力は、汚染水を多核種除去装置(ALPS)と呼ばれる放射性物質除去装置を通じてトリチウム以外の放射性物質を浄化している。

 しかし、トリチウムだけでなく他の放射性物質も自然界に存在しており、自然界に存在するからといって安全だと言うことはできない。また、この主張は東京電力がALPSでトリチウム以外の放射性物質を基準値以下になるまで除去するという前提に基づいている。だが、昨年9月、福島原発汚染水のうちALPS浄化作業が終わった89万トン(合計95万トン)を調査したところ、80%を超える75万トンについて依然として排出基準値を超える放射性物質が含まれている事実が明らかになり、波紋が生じた。

東京/チョ・ギウォン特派員、イ・グニョン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/18(水) 8:02
ハンギョレ新聞

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