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さりげない軽やかさとユーモア。シュテファン・バルケンホールが個展で新作を発表

9/19(木) 8:32配信

美術手帖

 ドイツの彫刻家、シュテファン・バルケンホールの新作個展が、東京・六本木の小山登美夫ギャラリーで開催されている。会期は10月5日まで。


 バルケンホールは1957年、ドイツのヘッセン州・フリッツラー生まれ。現在はフランスのメゼンタール、ドイツのベルリンとカールスルーエを拠点に活動を行っている。76年にナム・ジュン・パイク、シグマー・ポルケらが教鞭を執っていたハンブルグ造形大学に入学し、彫刻家のウルリッヒ・リュックリームに師事。92年より、自身も国立カールスルーエ造形芸術大学彫刻科の教授を務めている。


 これまでアメリカやロンドン、フランスなど世界各地で数多くの個展を開催してきたバルケンホール。日本では2005年に、大阪の国立国際美術館と東京オペラシティアートギャラリーで初個展「シュテファン・バルケンホール:木の彫刻とレリーフ」を開催し、大きな話題となった。​


​ 80年代以降は「私は中断された伝統を再開するために、人物像をもう一度、発明しなければならない」という考えをもとに、本格的な人物像の制作に着手。それから一貫して人物や動物、建築などをモチーフに、1本の木から台座ごと彫り出す立像や、その背景としての役割を担うようなレリーフ、粗く削られた木やブロンズに着彩を施した彫刻作品を手がけてきた。その作品は、シカゴ美術館やロサンゼルス・カウンティ美術館、ルードヴィヒ美術館、フランクフルト現代美術館をはじめとする数多くの美術館に所蔵されている。


 一連の作品群は、人物や動物の描写とミニマリズムを両立させた独特の世界観で展開される。モチーフとなるのは、バルケンホール自身が「ミスター・エヴリマン」と名付けるように、どこにでもいそうな「どこかの誰か」であり「誰でもありうる」ような人物だ。ここに特定のモデルは存在せず、新聞記事のなかの人物や通りがかりの人など様々なイメージを重ね合わせながら描かれるという。


 人間と動物への尽きることのない興味の眼差しと、またさりげない軽やかさとユーモアを感じさせる表現で、多くの人々を魅了してきたバルケンホール。本展では、どのような新しい展開を見せるだろうか。

最終更新:9/19(木) 18:32
美術手帖

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