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ギャンブル依存症の父の逮捕で依存症更生を事業化。26歳起業家が会社にこだわる理由

9/19(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

日本にも数百万人規模で存在すると言われる「依存症」。近年は芸能人の薬物依存症やアルコール依存症がニュースになることも多いが、その実態は意外と知られていない。

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依存症からの更生は病院での治療や経験者を中心としたNPOなどの団体が頼りだ。だが、“依存症更生”をスタートアップとして取り組む26歳がいる。なぜ彼は事業として依存症の更生に取り組むのか。

父親が逮捕されて

川崎市多摩区にある、駅から少し離れた閑静な住宅地。古い料亭を改装した施設を訪れると、「ヒューマンアルバ」代表取締役の金井駿さんは、やわらかな笑顔で迎えてくれた。

施設には、現在21人の依存症の入所者がいる。毎日10時から16時までのプログラムを通して、依存症からの回復を目指す。現在、入所する8割がアルコール依存症の患者で、年齢は20代前半から70代までと幅広い。

事業を始めた金井さんは1993年生まれ。2番目の父親がギャンブル依存症になり、逮捕された過去がある。

実の父親と母親は、金井さんが幼い頃に離婚。その後再婚した父親は、トラック運転手の仕事のつながりから競馬・パチンコ・競艇などのギャンブルにのめりこむようになった。目のクマがひどくなり、頰がこけた。

約束ごとを守れなくなり、当時幼かった妹の保育園のお迎えもウソをついてすっぽかし、パチンコ屋に通うように。母親が大切にしていたバッグやアクセサリーもいつの間にかパチンコのお金に消えていた。

借金は数百万円規模にまで膨れ上がり、ついに父親は会社の資産に手をつけ、逮捕されてしまう。

仕事しても息が詰まる

「もう、死んでよ!」

ケンカの絶えない日々の中で、金井さんは母親が泣け叫びながら放った一言が今でも忘れられないという。

そんな高校時代に輝いてみえたのは、サイバーエージェントの藤田晋社長やソフトバンクの孫正義会長といったIT起業家たちだった。

「『こうなりてぇな』って、田舎の学ランきた高校生が(笑)。当時は、親という反面教師がいたので、ものすごい稼ぐ男になりたかったんですよね」

依存症のことは考えたくもなかったと語る金井さんがいまの事業を始めたきっかけは、横浜国立大学に進学してからだった。

経営コンサルティング会社やITベンチャーでインターンをするようになると、違和感が頭をもたげるようになった。

「仕事をしていても、なんでこんなにしんどいんだろう、息が詰まるんだろうなあって考えていて」

ふと思い出したのは、父のことだった。

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最終更新:9/19(木) 23:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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