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私財をなげうち取り組む難病の社長も…”ヤクザの5年ルール”に実は柔軟性?元暴力団員の更生を阻むもの

9/19(木) 10:01配信

AbemaTIMES

 2017年の検挙者は21万5003人で、このうち再犯者は10万4774人、さらに72%が無職だったという。再犯を防ぐための受け皿づくり、就労の確保がいかに大切かを考える。

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 北海道・札幌に、元受刑者など、過去に罪を犯した人たちを積極的に雇用している企業がある。“被害者を増やさないために再犯者を減らす”として、半世紀に渡り元受刑者たちの支援を続けている北洋建設だ。創業して以来、500人以上の元受刑者たちを雇用してきた。そんな創業者の父の思いを継ぐのが、小澤輝真社長(44)。「元犯罪者を保護することは、被害者を保護することになる」と語る。

 小澤氏のもとには毎日5、6通の手紙が全国から届く。送り主のほとんどは傷害や窃盗、薬物事犯などの罪で服役する受刑者たちだ。7年前に脊髄小脳変性症という難病を発症、言語や運動の機能に障害を持っているが、それでも自ら全国の刑務所など刑事施設を訪ね、手紙の送り主たちと面接を行ってきた。

 採用には一定の基準を設けているが、やる気さえあれば誰にでもやり直しの機会を与えるのが小澤氏の方針。「雇ってみないと分からない。ああ、これはダメだろうという人間がすごい化けちゃうので。それが嬉しい」。現在、社員60人のうち、22人が元受刑者や前科者だ。

 「ここでは一般の人と同じ扱いだ。元ヤクザということも関係なく、ありがたい」。そう話すのは、山口組の2次団体の元組員だった木下健一さん(仮名・37)だ。17歳でヤクザになり、窃盗未遂などの罪で3度服役。2年前、出所して、身一つで入社したという木下さん。月給20万円から社員寮費の5万円弱が引かれ、残りを貯金に回している。

 しかし、北洋建設にたどりつくまでは、元ヤクザという肩書きが付いて回り、職探しは困難を極めた。「やっぱり雇ってくれない。面接に行っては断られる」。たとえ経歴を隠して職を得ても、他にもハードルが待っている。「銀行の受付で“お客様!反社会的な組織に加入されていましたか?ちょっとうちでは…“という話になって」。暴排条例によって、ヤクザを辞めても5年間は“暴力団関係者“とみなされ、銀行口座が開設できなかったり、携帯電話や賃貸契約が結べなかったりと、様々な制約を受けることになる。これが就労に大きな足かせとなっており、再びヤクザに戻る者も後をたたないという。

 小澤氏と出会えたことで職を得ることができた木下さんが一番大事にしているものが仕事道具だ。働きだして2年。どんどん仕事が好きになり、この環境を失わないためにも「2度と再犯しない」と誓う。「できた人間関係は大事にしたいし、信頼は壊したくない」。

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最終更新:9/19(木) 10:01
AbemaTIMES

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