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社外取締役が多ければ良いわけじゃない? 会社法改正と株価の盲点

9/19(木) 7:14配信

MONEY PLUS

10月上旬から予定されている臨時国会の最大の焦点といえば、憲法改正の議論とみられます。しかし実は、それ以外にも企業や株式市場、投資家にとって、とても重要な法案が審議されます。会社法の一部改正です。

【図表】“独立”社外取締役は何人の企業が多いのか、検証してみた

この改正法案は、上場企業などに対して社外取締役の選任を義務化する、というものになります。そこで今回は、社外取締役と株価パフォーマンスとの関係を紹介しましょう。

取締役と執行役の違いとは?

「取締役」と聞いて、皆さんはどんなことをイメージされるでしょうか。

会社では、部長から昇進すると役員になります。役員の中にも段階があり、会社の最高意思決定機関である取締役会に出席できる人が取締役ととらえたりする方も多いでしょう。ざっくり言えば、会社で出世できた人が取締役会のメンバーとなり、さらに成功したら社長になれるというものです。

ところが近年、この取締役会の役割への期待が変わっています。

取締役会は業務執行の決定をするのではなく、実際に業務執行者の監督を行うべきとする考え方です。取締役会では、基本的な経営方針や、業務執行者の選解任と報酬といった事項を決定します。

具体的な業務は執行者が行います。この業務執行の役員として「執行役」というポジションが生まれました。平たく言うと、執行役が業務執行を行い、取締役は執行役の監督と評価を行うのです。こうした新しい形の組織は米国企業では一般的で、学術的には「モニタリングモデル」と呼ばれています。

取締役は誰のために存在するのか

ではなぜ、モニタリングモデルが期待されるようになったのでしょうか。

これにはまず「会社は誰のものか」というところから考える必要があります。会社はいったい誰のものでしょうか。最近は減りましたが、「ウチの会社」という会社員もいます。なんとなく会社は社員みんなのもの、ということになるのでしょうか。

ですが、こんな反論が出てくるかもしれません。「会社は従業員のことを、そこまで考えてくれない。上司が決めたことに従うだけだし、結局は経営トップの判断がすべて」というものです。

特に、創業者のオーナー会社の中には、こうした色彩が強いケースもあるでしょう。そうなると、「会社は社長のもの」ともみられます。あるいは、そこまで極端なケースでなくても、やはり取締役などの経営陣のものと言われるかもしれません。

しかし近年、わが国でも「会社は誰のものとは一言では言えないが、究極としては株主のもの」と言う考えが支配的になっています。そもそも会社法の定めで「株主が会社の法的な所有者」となっています。

ですから会社は本来、株主の利益になるように事業活動しなければなりません。社長を中心とした取締役が業務の執行をしていると、本当に株主のためになっているのか、チェックができません。そこで、執行者(執行役)が行う業務と取締役が監督する組織が注目されてきました。これがモニタリングモデルです。

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最終更新:9/19(木) 7:14
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