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名門の灯消さない 恩師の志、OG顧問ら継承 袖ケ浦高書道部 【戦う文化部】

9/19(木) 13:04配信

千葉日報オンライン

 毎年のように部員が文部科学大臣賞を受賞するなど輝かしい実績を誇る県立袖ケ浦高校書道部(袖ケ浦市)は、2年前に急逝した前顧問と歴代部員が築き上げてきた名門。その後、教え子の新米教師が母校に着任し、部員と力を合わせて名門の灯を消すまいと奮闘中だ。「書の甲子園」(国際高校生選抜書展)で念願の日本一に輝くべく、24人の部員たちは練習に熱を入れる。

 「これじゃあ今年は厳しいよ。本気で優勝狙ってるなら、本気でやって」

 8月下旬、校内で行われた作品批評会。亀田祐身教諭(24)が作品を厳しくチェックし、げきを飛ばす。表情を引き締めた部員たちは、細かな助言に熱心に耳を傾けた。

 高校時代に部長だった亀田教諭は、部員たちの“先輩”でもある。2008年から顧問を務めた故・金木正志氏から薫陶を受けた。「怒ると怖いが、生徒思い。生徒が自主的に考えるのを大切にする先生だった」(亀田教諭)。当初進学するつもりはなかったが、金木氏の助言で大学の書道学科へ。2度目の採用試験で合格し、晴れて書道教員となった。

 だが恩師はがんの病魔に襲われ、17年7月、教え子の合格を知ることなく他界。57歳だった。

 亀田教諭は翌年4月に着任。指導は手探りだったが、部は数々の賞を獲得するなど活躍。名門の存在感は揺るがぬままだ。

 強さの秘けつは、金木氏の指導の特徴を受け継いだ、小筆で書く小さな文字「細字(さいじ)」へのこだわりと、圧倒的な練習量。全部員が基礎練習として、古典のお手本を脇に置いてそっくりに似せる細字の臨書を徹底する。「細字を練習すると目が育つ。すると、大きな字もうまく書けるようになる」と亀田教諭は説明する。

 練習中、黙々と筆を動かす部員たちの目は真剣そのものだ。「やればやるだけ成長し、作品が良くなっているのが分かる」。部長の2年、佐藤菜々美さん(16)は練習の大切さを強調。部員同士の仲の良さも部の長所といい、「作品がうまくいかない時、部員に悩みを聞いてもらって救われることが多い」と明かす。

 前部長の3年、橋本泰知さん(18)は「どの学校より練習がきついが、やりがいがある」と話し、「練習を重ねて筆と仲良くなると、いい線が書けるようになる」と持論を語る。

 部員たちは「目標は、書の甲子園で全国優勝」と口をそろえる。昨年は南関東地区で優勝したが、もっと上を目指したい。「団体戦なので、部員たちは特に思い入れがあるようだ」と亀田教諭。今月中に作品を応募し、審査は10月。亡き恩師の志を継いだ新書道部が、さらなる高みを目指す。

(文化部・平口亜土)

最終更新:9/19(木) 13:04
千葉日報オンライン

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