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富士通研究所、最適なアクションプランを提案するAI技術を開発

9/19(木) 12:54配信

ZDNet Japan

 富士通研究所は、富士通のAI(人工知能)技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」の中核となる「Wide Learning(ワイドラーニング)」を拡張し、最適なアクションプランを提案するAI技術を開発したと発表した。

 例えば、従来のマーケティング分野では、商品を購入する見込みが高い顧客を予測するためにAIが活用されているが、実際の現場では、予測だけではなく、購入の可能性を高めるアクションの決定にもAIを活用したいという課題が出ている。同技術を活用することで、購入者の割合が高く、顧客数が多いセグメントとアクションの組み合わせを抽出でき、マーケティング業務の自動化が期待される。

 今回同社では、以前から使用しているマーケティングオートメーションツール内の匿名化データ(属性21項目、行動履歴49項目、アクション14項目)を使用し、購入確度の高い顧客を増やすアクションを抽出する実験を行った。

 その結果、マーケティングの専門家が人手でデータ分析を行った場合に、14個のセグメントで顧客の17%をカバー、購入見込み率が平均55%となる複数のアクションを抽出したのに対して、同技術では3個のセグメントで顧客の47%をカバー、購入見込み率が平均92%となる複数のアクションを抽出できることを確認した。

 マーケティング分野の顧客へのプロモーションでは、アクションプランを決める際、購入率が高く顧客数が多いセグメント(「顧客の属性」「過去の行動履歴」のデータ項目からなる組み合わせ)に対して、購入につながると思われるアクションを推定していく。しかし通常、マーケティングには50種類以上のセグメントに関わるデータ項目があるといわれ、その組み合わせは1000兆通り以上となる。従来は、その中から数十個のセグメントを選別した上で、それぞれのセグメントに対して有効なアクションを推定するにとどまっている。

 今回開発した技術では、算出された数百個から数万個におよぶ複数の購入率の高い組み合わせを比較し、購入率を下げることなく、該当人数が増加するデータ項目の組み合わせを見つけていく。これを繰り返すことで、最も該当人数と購入見込み率が高い数個に絞られた組み合わせを見つけ、セグメントとアクションを特定できる。データ項目の組み合わせを絞り込んでいく際に、「購入者の割合」「該当者の数」「抽出するアクションの数」など、それぞれ条件に優先度を付加することができる。これにより、ボリュームゾーンやニッチを狙うといった現場のターゲティングの目的に沿ったアクションの抽出が可能となる。

 同技術は、製造現場での不良品を減らすための機械の自動制御や、金融分野における債務不履行を防ぐための借入限度額の自動設定、ヘルスケアでは健康を維持するための運動や食事の提案など、さまざまな業務でのアクション決定の自動化を促進できる。

 今後はマーケティング分野だけでなく、ものづくり、金融、ヘルスケア分野などで、セグメントとアクションの関係を分析することで、効率的なアクション抽出による業務改善の実践を進めていく。また、同技術を追加した「Wide Learning」を、富士通のさまざまな製品・サービスに組み込み、2020年度にZinraiソリューションとしての提供を目指す。

最終更新:9/19(木) 12:54
ZDNet Japan

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